2023/12/12（火）UP
（最終更新：2023/12/12 11:26）

太田忍が“芦澤の真似”を連想させるシャドー

　12月31日（日）にさいたまスーパーアリーナにて開催される『RIZIN.45』の［RIZINバンタム級（61.0kg）マッチ］で、芦澤竜誠（フリー）と対戦する、太田忍（パラエストラ柏）が11日に公開練習を行い、芦澤の顔写真に“落書き”の挑発。さらには、その打撃を「K-1で通用したかどうかの程度」と一蹴した。

【フォト】太田が公開練習で挑発の数々、その場で芦澤の顔写真に落書きも

　太田は公開練習でサンドバッグに芦澤の顔写真を貼り、その顔にヒゲやシワなどを足す落書きを。さらに、“芦澤の動きのマネ”を連想させる奇妙なシャドーを披露。その真意を尋ねると「変でした？なんかどっかで見たことあるやつ。ちょっと真似してみたいと思い、真似してみたんですけど」と、“太田流”な挑発メッセージを芦澤に送った。

　今回対戦はK-1出身のストライカーvs五輪レスラーの構図。しかし、太田は芦澤の打撃の評価を尋ねられると「どうなんですかね。キックボクシングのK-1という舞台で通用していたか、してないか位の打撃なんじゃないですか。MMAにどれだけ順応しているか分からない」といい、特別な対策についても「データがないですからね、全く。特別な対策と言っても、本当にデータがないので、対策のしようがない。ただ、自分のやるべきことを遂行するだけです」と、芦澤の打撃への意識より自分のパフォーマンスに集中するという。

質疑応答の際にも、横には落書きされた芦澤が。

　2連勝と快進撃の後、今年10月の前戦で佐藤将光に判定負けを喫しタイトル戦までに“足止め”を食らった状態の太田。前戦について「あの試合は善戦ではなく完敗だと思っています。判定を見る限り、フィニッシュを意識して戦ったのが、佐藤選手。判定の評価が、アグレッションがあっちに2つ入ってて、僕にジェネラルシップが入っているという感じだと思うので」と勝つためには“フィニッシュ”まで持っていく姿勢が重要であることを学んだと、連勝は止まったものの、得たものは大きかったようだ。

　さらに佐藤戦から“寝かしてからコントロールする”動きも強化したという太田。今回の芦澤戦は「1Rで極める」と一本勝ち宣言をしたが、「理想は一発も被弾しない。そして、極められたらいいかな。2連勝した試合と同じ、一方的な展開が理想です」と語った。

　また、先日の対戦カード発表で、芦澤が自身の勝つ理由として“10cm近くある身長差”を強調したが、どう解釈したかを太田に尋ねると「（あの発言は）当然格闘技なのでリーチ差というのはアドバンテージではあるが、彼はそれ以外で僕に勝つ要素を挙げられなかったからと思っています」といい、過去の対戦相手の久保や佐藤らは自分より身長が高く、自分には経験があるとして「ちょっと何言っているのか、分からなかった」と一蹴した。

会見では、芦澤が身長差を揶揄し、太田に挑発

　太田は最後に狙っている極め技を尋ねられると「マザーズミルクで極めようかと。今流行の技。あの技はすごい屈辱的じゃないですか、名前もそうだし、結構、極まりますからね。あれはヤバい。極まったら半端ないし、軽量級で上半身裸の状態で極まったら、ちょっと盛り上がると思う」と不敵な笑みを見せた。

　太田がいうマザーズミルクとは、最近の柔術大会で相手の顔面を自分の胸に押し当て窒息させてタップを奪う技。前段階として、マウント状態から強度のプレッシャーをかけて、下でもがく相手を苦しめる。スタミナや気持ちが折れかけたところで、腕力で相手の頭を自分の胸に引き込み、相手の鼻口からの呼吸を奪い、さらには首はネッククランクのような状態で折り曲げる、“苦し過ぎる”極め技だ。

　これはマッチョな重量級の選手が良くやる技なのだが、これを軽量級の太田が極めるとなると、確かに芦澤にとって“屈辱”的な負け方になるのは想像に難しくない。果たして、太田はこの技を極めることができるのか、注目だ。

＜両選手の情報＞

太田は、レスリングの2016年リオ五輪銀メダリストであり、2019年世界選手権金メダリスト。MMA転向後は7戦4勝3敗。今年4月、倉本一真に右フックで衝撃の1R KO勝利を飾り、7月の瀧澤謙太戦ではパンチ連打で1R TKO勝利と、2連勝でタイトル挑戦に近い位置にいたが、10月に佐藤将光に判定負けを喫した。今回は再起を狙う。

対する芦澤は“K-1の問題児”として知られ、昨年末にはK-1との契約が満了。今年4月のRIZINで皇治とのキックボクシング因縁対決を制し、その後MMA転向を宣言していた。

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