篠塚辰樹、”左手のみ”でKOの驚き!その裏に沖縄空手、右手は怪我も…
大晦日の『RIZIN DECADE』(さいたまスーパーアリーナ)”雷神 番外地”のオープンフィンガーグローブキックボクシング戦では、元Krushフェザー級王者・篠塚辰樹(MASTER BRIDGE/剛毅會)が、試合前の「片手でいく」という宣言通り、左のみでダウンを3度奪いKO勝利した。
ほぼ片手のみで戦っていたが、剛毅會・岩崎達也宗師によると、沖縄空手の”両手連動技”が使われていたと言う。
篠塚は試合前、階級下の野田を「ちっちゃい子、かわいそう」とし「片手で行く、決めた。俺、右殴らない。ジャブとヒザでKOする」と左手のみで戦うと宣言。
SNSにアップした練習動画でも、左ジャブとヒザのみの練習を行っており「本当に左だけでいくのか」と話題になっていた。
その通り、試合開始時に篠塚は、右手を背中に回し構えてアピール。流れの中で何度か右が出そうになる以外、パンチはほぼ左のみ。左フック、左ジャブ、左フックと3度のダウンを奪い、1R 2分3秒 KOした。
篠塚は試合直後、SNSで「剛毅の左突き」と投稿している。
試合の前、所属する剛毅會・岩崎宗師に”左手のみ”の練習の意味を聞くと「左拳強化のため左だけの稽古を指示しました。内面では夫婦手がはたらき両手使っています」と動きには現れない右手が働いていると言う。
”夫婦手(めおどで)”とは古流沖縄空手の概念で、一般的には、両手を連動させた防御とされている。攻撃技にも応用でき、左右手の連携動作で、攻防一体の動きを行える。
剛毅會で学んでいるこの夫婦手により、左の攻撃を行う時にも、実は右も使っていたということだ。
実は、篠塚は試合後インタビューで「今回肩も壊れてるし、拳も壊れてるし、脚の筋肉も切れてた」と明かし、元々右を使えない状態であったようだ。肩は「腱板が損傷している」と言う。
それでも、試合中には右を何発か出そうとしていたと言うが「肩が千切れるのが怖かったのと、拳も麻酔を打ってやっていたので殴らないようにした」とも。怪我は「1カ月2カ月で治ると思う」とのこと。
今回はある意味ピンチでもあったが、元々得意だったジャブやボクシング技術に加え、沖縄空手を身に着けたことで、危なげないKO勝利に結びつけることが出来たと言えるだろう。
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