井上尚弥の相手・キム陣営「史上最大の番狂わせ起こす」”グッドマンより難敵”の声も
2週間前に急遽決まったキム（右）＠yejoon_kimm
プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（31=大橋）が今月24日に対戦する相手が、サム・グッドマンからWBO同級11位キム・イェジョン（32=韓国）へ急遽変更となった。
”井上が圧倒的有利”と見られているが、陣営はインタビューでキムの強さを語り「ボクシング史上最大の番狂わせになる」と自信を持つ。ファンの中にも「グッドマンより勝負論ある」と好勝負を予想する者も多い。
【フォト＆動画】キムの強烈KOハイライト、井上尚弥・現在のモンスター化したボディも
井上は先月24日、東京・有明アリーナでWBO・IBF1位グッドマンと対戦予定が、グッドマンの左目上負傷により1月24日に延期。更に今月11日、グッドマンが再裂傷し中止となり、リザーバーだったキムに変更となった。
井上尚弥の相手キム・イェジョン陣営が自信
そのキムは井上尚弥と同じ、12年にプロデビュー。わずか2年でWBCユース、翌年にIBFアジアを獲得し早くも世界戦も見えていた。
しかし韓国メディアによると、15年頃に左ヒジの靭帯を負傷。それでも勝ち続けIBFランカーに名を連ねるが、16年には左ヒジの手術をし、約2年間のブランクを作る。
18年に復活し国内で連勝するも、今度は左肩を痛める。更にコロナ禍となりまたも試合出来なくなってしまった。
左リードハンドの多彩さが持ち味だったキムだが、左のケガによりなんとオーソドックスからサウスポーに構えを変更。
拠点もオーストラリアへ移し、22年に復帰してからは、メキシコ、アメリカ、オーストラリア…と海外連戦している。
そんな中掴んだ井上尚弥戦を、キムのマネージャーであるマイク・アルタムラ氏は「一生に一度の祝福」と呼んだ。苦労人キムの大チャンスだ。
得意のアッパーを打ち込み最終調整＠yejoon_kimm
アルタムラ氏は『FightsATW』のインタビューでキムの強さについて「彼は塹壕戦（※接近戦）を挑むこともできるが、同時にインサイドで構えてショットを選び、パンチの合間を的確に狙うことにも長けている。調子が良い時の彼は、簡単には攻略できない存在だ」と打ち合いも、防御に徹しカウンターパンチも狙えるトータルファイターだと証言する。
更に「彼が得意な、正確なカウンターを繰り出せる、連打型パンチングマシンのようなスタイルを選べば、超トップ戦線でもやりあえると思っていた。ここ2試合のパフォーマンスは非常に良い（※5R KOと1R KO）。彼と組む前から、大きな番狂わせを起こす能力があると思っていた」と語る。
キムのニックネームは、劣勢から大逆転する『トラブルメーカー』だ。
そして「多くの人が彼を過小評価しているだろう。楽しみだ、きっと彼らは驚かされる。私たちはこれがボクシング史上最大の番狂わせになると断言する。タイソンを倒したバスター・ダグラスの番狂わせより大きなものだ」と24日、世界が衝撃を受けるだろうとした。
キムは対日本人7戦全勝、戦績は21勝（13KO）2敗2分。モロニーのスパーリングパートナーを務め、アグレッシブファイターで打たれ強さには定評がある。さらに韓国選手は気持ちが強く粘る傾向にあり、そこはグッドマンよりも上かもしれない。
また怪我の経験から左右両構えで対応することが出来、もう1つの異名はパッキャオとメイウェザーを足した『パックウェザー』。パッキャオばりに、いきなりスイッチで攻め込み、メイウェザーよろしくL字ガードでディフェンスも巧みなのだ。
ネットでは日本人ファンの中にも「グッドマンより勝負論はあると思う」「キム選手のほうが何か起こりそうでヒヤヒヤする」「キムには何かありそう」「キム弱くねえ」と警戒する見方もある。
井上も油断することなく、14日には同門の左右2人のファイターと8Rのスパーリングを終了。SNSには「やっとここまで来た､､､慎重に慎重に過ごします」と綴っている。
24日、緊急代打のダークホース・キムを迎え、井上はどう戦うか。
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