2025/05/07（水）UP
（最終更新：2025/05/07 12:24）

井上が８R、KOで４団体統一を４度目の防衛成功　提供：Prime Video　©NAOKI FUKUDA

　5月5日（日本時間）、米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナでスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が、WBA同級1ラモン・カルデナス（米）から8R45秒でTKO勝利も2Rにダウンを奪われる大ピンチに！。この試合をボクシング元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志が、6日、自身のYouTubeチャンネルで井上ダウンについて分析した。

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　井上がダウンを喫したのは、2Rだった。左フックを打ちにいくも空振り、その打ち終わりにカルデナスの左フックを被弾して尻もちをついてしまった。ダウン直後はセコンドに右手を挙げて大丈夫とサインを送りゆっくりと立ち上がり、カルデナスの追撃をかわした。

4団体王座の統一に成功した井上　提供：Prime Video　©NAOKI FUKUDA

　この場面について内山は「あれは、ガルシアがデービスにもらったダウンとほぼ一緒でした。前にきた相手のパンチをくぐり、左フックを打ち込んでのダウン。なかなか難しいパンチなんですけど、カルデナスはよく出した」と称賛した（※ライアン・ガルシアは、23年2月にジャーボンテイ・デービスと対戦し2Rに左フックでダウンを喫し、7RKO負け）。

　カルデナスは右構えだが、井上からダウンを奪う瞬間のみサウスポー構えになり左フックを決めている。それについて内山は「あれは、たまたま下がった時にスイッチする感じだと思います。あの瞬間のみスイッチするのは不可能」ととくにあのダウンを狙ってのスイッチではないと断言した。

　また、井上はネリ戦以来のダウンとなるが「僕はネリ戦よりも効いていると思いました。スコンという倒れ方ではなく、揺れているように倒れたので結構効いているのかなと。でも、冷静でしたね。カウントをしっかり聞いて立ち上がっていたし、ラウンド終了間際ですぐにゴングが鳴って。でも、仮にあと30秒あってもうまく立ち回っていたと思う。井上選手は打たれ強い」と、そこまでの心配はなかったという。

内山高志は、井上尚弥のタイトル防衛戦を振り返った（『内山高志KOチャンネル』）

　井上がダウンを喫したことで衰えを指摘する声もあるが「倒しに行っていますから。もらないように10ラウンドくらいまでゆっくりやったら、あんなパンチは、まずもらわない。もらったのはラッキーパンチとまでは言わないけど、不意のパンチです。あそこまで踏み込んでいたからもらった。彼はスターだし海外のファンが多い。会場にはたくさんのファンが集まっていて、よし見せてやろうと思う気持ちが出てしまったのかなと。その隙が出てしまったくらいです」と内山は覚悟を持って倒しに行った姿をむしろ称賛した。

　その上で「今回は一撃で倒したわけではなく、元気な相手を削って削って倒したところに僕は凄さを感じました。ガードの上からダメージを与えていって、最後は相手が力尽きていく倒し方。あれは横綱ボクシングですよね」と内山。