2018/11/10（土）UP
（最終更新：2019/05/15 16:40）

ソーグラオ（右）の顔面を何度も捉えたペトロシアン（左）の鋭い左ストレート

▼ONE Super Series キックボクシング　キャッチウェイト（−71.0kg） 3分3R
○ジョルジオ・ペトロシアン（32＝イタリア/K-1 WORLD MAX2009・2010世界王者）
判定3-0
●ソーグラオ・ペッティンディーアカデミー（25＝タイ/元ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者）

　ペトロシアンは2009年と2010年に『K-1 WORLD MAX』の世界トーナメントを連覇した実績を持ち、今年7月には『Bellator Kickboxing』のリングで、現K-1 WORLD GPスーパーウェルター級（-70kg）王者チンギス・アラゾフからダウンを奪って判定勝ちするなど、現在も世界のトップ戦線で活躍中。4月にONEの立ち技部門「ONE Super Series」に初参戦し、キックボクシングルールの試合でムエタイの実力者スモーキン・ジョー・ナタワットに完勝している。

　対するソーグラオはムエタイ二大殿堂の一つとして知られるルンピニースタジアムで、ウェルター級（−66.7kg）王座に就いた実績の持ち主。6月のONE Super Seriesデビュー戦にはキックボクシングルールで出場し、フランスのムエタイ戦士サミー・サナに苦戦を強いられながらも判定勝ちを収めている。

　1R、右構えのソーグラオが左ジャブで距離を取りながら右ローと右ミドルを蹴るのに対し、左構えのペトロシアンはジリジリと間合いを詰めて多彩なパンチのコンビネーションを正確にまとめる。攻撃のテンポにも緩急を付けるペトロシアン。試合が動いたのは終盤で、ペトロシアンはいったんペースを落ち着かせたかと思いきや、今度はぐっと踏み込んでの右フックと左ストレートでソーグラオにケージを背負わせ、さらに右フックと返しの左フックのコンボ。ソーグラオはこれで完全に頭が揺れて腰が落ちるが、ここはなんとか倒れずに踏ん張った。

　2R、ペトロシアンはソーグラオの右ハイ強襲を難なくブロックすると、直後に踏み込んで右フックから左ストレートのコンボを連続で浴びせる。ガードを高く上げるソーグラオだが、今度はその背後を通すようにペトロシアンが右フックをしつこく連打。ソーグラオの左ジャブもペトロシアンは体を捻ってのヘッドスリップで避けて、すかさず右アッパーを捻じ込む。ソーグラオの渾身の右ハイをペトロシアンが上半身を後ろに反らすスウェーバックで鮮やかにかわすと、会場からはどよめきが起こる。

　3R、なおも悠々とソーグラオのパンチをかわしながら、右ジャブとノーモーションの左ストレートを突き刺していくペトロシアン。ソーグラオは何度も動きが止まってしまい、蹴りも返せなくなったが、なんとか最後まで持ち堪えた。タフなソーグラオをフィニッシュすることはできなかったものの、ペトロシアンが正確なパンチと安定したディフェンスで試合を支配し続け、判定3-0で完勝を飾った。