【NJKF】国崇が100戦目でTKO勝利、TENKAICHI王者・翔平をヒジで切り裂く
NJKF拳之会/ファイトプランニング
『NJKF拳之会主催興行16th~ NJKF2021 west 2nd ~』
2021年4月24日(土)岡山コンベンションセンター
▼メインイベント 交流戦 57.5kg契約 3分5R(ISKAムエタイルール)
◯国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)
TKO 5R 2分13秒
●翔平(SHINE沖縄/TENKAICHIライト級王者)
※ヒジ打ちによるレフェリーストップ
4月24日(土)、岡山コンベンションセンター・コンベンションホールにて、NJKF拳之会主催興行『NJKF 2021 west 2nd』が開催された。同所での開催は一昨年から3度目となるが、昨年と同じくコロナ禍の中で席数を限定し、感染拡大防止対策を徹底した上で行われた。
本大会のメインはエース・国崇のプロ100戦目となる記念すべき一戦。昨年の岡山大会で98戦目を行った際には、「年内に、可能であればタイでのタイトルマッチで100戦達成」というプランがあったが、コロナウイルスの影響で思うように試合が行えず、今年2月の後楽園ホールで99戦目を戦い、この地元大会で節目の一戦を行うこととなった。
その相手となったのは沖縄のTENKAICHIライト級王者・翔平。TENKAICHIではフェザー級とともに2階級制覇を達成しており、176cmの長身でアグレッシブなファイトを身上としている。国崇は2月の前戦では60kg契約の試合に出場し、スーパーフェザー級王座保持の実績も持ち体格差もあった琢磨にいいところなく敗れている。今回は国崇、翔平ともに適正に近いという57.5kg契約での一戦だが、国崇が8cmの身長差をどう攻略するかも注目された。
1Rのゴングが鳴ると、先にローで仕掛けたのは翔平。様子見の構えの国崇にロー、ミドルを放っていくと、国崇のセコンドからは「手数!」「手を出せ!」という指示が飛ぶ。中盤以降はいきなり右ハイを放ったり、左フックやボディを繰り出すが、この試合はラウンドマストのISKAルールで行われており、手数では翔平にポイントがついておかしくない内容に。ただその中でも、国崇本人も「調子のバロメーター」と認めるジャブの連打を終盤に見せていた。
2Rに入ると国崇の攻めが徐々にペースアップ。ロー、ジャブから得意の左ボディも出始め、コーナーに詰めての一発も。中盤、国崇のローがローブローとなり、一時中断。再開されるとまたもローやボディを含むパンチで攻める国崇に、翔平はミドルなどで応戦していく。
3Rにはパンチの手数を増やして反撃の機会を伺う翔平。だが国崇はペースを掴んだ様子で攻撃を重ね、ローもボディも効かせていく。後半、翔平が右をヒットすると、国崇はバックヒジを見せる。
4Rには何とか勝利への糸口を見つけるべく声を出しながらパンチを打っていく翔平だが、国崇は攻撃の手を緩めず、中盤には連打で追い込む。ヒジでカットされ出血が見られる翔平に対し、終了間際には右ストレートでダウンを奪う。
5R中盤にはさらにヒジを見舞い、翔平の出血が激しくなってドクターチェック。「もう少しだから!」と続行を懇願する翔平に半ば押されるように試合は再開されたが、国崇は仕上げの猛攻。ロープ際に詰めると左ボディから右ヒジをフルスイング! 本人自ら「今まででも一番」の感触があったという一撃で翔平は左目の周辺からおびただしい出血。即座に試合がストップされ、コーナーに座り込んだ翔平はしばらく立てないほどだった。
100試合目を地元で、しかも大いに場内を沸かせた上で貫禄を見せつけるようなTKO勝利で飾った国崇。これで戦績は100戦56勝(37KO)41敗3分となり、KO勝利は2019年2月の92戦目以来2年2ヵ月ぶり・8試合ぶり。地元・岡山県での拳之会主催大会は2003年の初開催以来16回目となるが、その中で国崇自身はこれが13試合目で、今回も勝利して全勝を維持することに成功した。
試合後、国崇はリング上でマイクを持つと「翔平選手の戦う気持ちに感化された」と激しい戦いを振り返った。そして長男の徹心君をリングに上げると「父ちゃん今日はどうやった?」と質問。徹心君は「カッコよかった! おめでとうございます」と拍手。しかしリングアナに「チャンピオンを目指してる?」と聞かれると無言で首を傾げる様子に、父・国崇は苦笑い。「100戦の次は何を目指そうかなと思ってるんですけど、これからも新しい目標を見つけて頑張っていこうと思うので、応援よろしくお願いします」と締めた。
観客から記念撮影攻めにされた後の控室では「試合前は(100戦目といっても)全くいつも通り、落ち着けていました。相手のローはダメージはなくて、絶対5R中に倒せるなと思っていました。体格差の圧も感じることはなかったです。ボディは会心の当たりはそんなになかったんですが、右ストレートは今回、会長にだいぶ直されていて、いつもより出すことができました。相手のパンチも見えたと言えば見えたし、後半、前に出てきてくれてからの方がやりやすかったです」とコメント。
国崇はさらに、試合までの調整がうまくいったことを勝因として明かした。「試合モードに入ってから調子がよくて、練習のたびに会長にも怒られるのは承知で悪かったところを聞いて修正して、というのを繰り返しました。自分でコンディション作りができたかなと思いました、100戦目にして(笑)。前回の琢磨戦の前はケガとコロナの影響でほとんど練習ができてなかったんですが、今回は岡山大会ということで『俺は勝つんだぞ』という自分へのプレッシャーもかけていたこともあり、うまく調整することができました。この先ですか? 今回、本当にコンディションがよかったので、これを保って試合していきたいですね」と、大きな節目を迎えても変わらず戦っていく意志を示した。
なお国崇は本大会の途中で、2018年末まで王座を保持し殿堂入りも果たしているISKAから100戦目を祝福する表彰も受けた。
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