2024/07/21（日）UP
（最終更新：2024/07/21 23:27）

齋藤（右）は打撃ヒットして藤井（左）を判定2-1で下した

サステイン
『修斗公式戦　PROFESSIONAL SHOOTO 2024 Vol.5』
2024年7月21日（日）東京・後楽園ホール
▼メインイベント（第11試合）　世界バンタム級チャンピオン決定戦5分5R
●藤井伸樹（ALLIANCE/同級1位）
判定1-2　※49-46、45-50、47-48
〇齋藤奨司（FIGHT FARM/同級3位）
※齋藤が新王者となった

齋藤は打撃を次々とヒットさせていく

　齋藤は“倒される前に倒して勝つ”津田沼魂を継承するスタイルでランカーの野尻定由、須藤拓真を立て続けに撃破するも負傷箇所のメンテナンスを施す為、長期欠場を余儀なくされた。約1年2ヶ月振りの復帰戦となる今回だが、いきなりの世界王座決定戦となった。

　対戦相手は“ゾンビ”の異名を持つ藤井。「最も対戦したくない男」と呼ばれており､これまで数々の対戦相手をドロドロのスクランブル地獄に陥れている。津田沼直系打撃特化型スタイルの齋藤とはまさに真逆のスタイル。世界王者として最後に立っているのは藤井か、齋藤か。

藤井は徹底してシングルレッグを仕掛けていった

　1R、齋藤は右をヒットし、左の三日月蹴りを入れていく。これに耐えた藤井は、シングルレッグを仕掛けるも、ここは齋藤は耐える。すると藤井はダブルレッグに切り替える。ここも耐えていた齋藤だが、腰がついてしまう。足を掴まれたまま、ヒジ打ちを落とす齋藤。その展開が長く続き、立ち上がったところでラウンド終了。

　2R、齋藤は積極的に左を顔面に入れていく。藤井も右を返し、ダブルレッグを仕掛ける。これは反応して耐える齋藤は、隙を見て右のパンチを入れる。立ち上がると、齋藤は左ボディなど打撃をヒットさせていく。だが藤井は、再びダブルレッグを仕掛ける。これを齋藤が潰す。

齋藤のパンチが藤井を苦しめた

　3R、齋藤がボディへパンチ、左フックを顔面へ入れる。藤井はシングルレッグを仕掛け、ケージ際の攻防。離れると、藤井が打撃を打っていく。齋藤は、これをボディワークでかかわすと、打って来いとアピール。藤井はシングルレッグを仕掛け、耐える齋藤。藤井はダブルレッグを仕掛け、今度はテイクダウンに成功。会場が大いに沸く。

　4R、齋藤は打撃で戦いたいも、いきなり藤井がシングルレッグ。齋藤は耐えたが、再びテイクダウンを許す。齋藤は上に乗る藤井の頭にヒジ打ちを何度も落とす。藤井は頭を深く入れて打たせないようにする。ケージを背にする齋藤は、ここから逃げられない。ゾンビ藤井のペースにはまっていく。

2-1のスピリット判定勝利の齋藤（左）

　5R、齋藤はフックを打つフェイントからアッパーを放つも、クリーンヒットはしない。藤井はシングルレッグを仕掛け、再びケージの攻防に持ち込む。何回か離れるも、その度に藤井はシングルレッグを仕掛け、その攻防が続いた。最後は齋藤が打ち合いに持ち込み、意地を見せたところで試合終了。どちらが勝ってもおかしくない僅差の判定は、2-1で齋藤に。新王者になったのは、齋藤だった。

ベルトを巻いて笑顔の齋藤

　判定が出た瞬間、泣き崩れた齋藤は「ちょっと、いつもマイクは短いんですが、今日はお付き合いください。大好きな格闘技を1年できない間、ずっと頭の中で藤井選手と戦っていました。下馬評では不利だったんですけど、仲間や自分を信じたらチャンピオンになることができました。才能のない自分ですが、好きなことを続けられる才能があった僕を生んでくれた両親に感謝しています。あとは、ここまで強くなれたのは、藤井選手のおかけです。これからも仲間を信じて自分を信じていきますので、応援をお願いします」と挨拶すると、会場から拍手が贈られた。

▶次ページは、竹原魁晟vs.上原平、椿飛鳥vs.たてお