“世界最大”ムエタイの祭典で1000人が舞う!ONE世界王者プラジャンチャイも登場
3月17日は『ムエタイの日』。世界遺産に登録されているタイ・アユタヤで、毎年この日に開催されている世界最大のムエタイの祭典『ワールド・ワイクルー・ムエタイ・セレモニー』が、今年も大盛況のうちに終わった。
なぜ、3月17日が『ムエタイの日』と制定されたのか。それは遡ること約250年前の1767年、ビルマ(現ミャンマー)軍の侵攻によりタイは敗戦し、その後、ビルマ軍はアユタヤに進入した。1774年3月17日、ビルマ軍の捕虜となっていたナイ・カノムトムがシャム拳法(古代中国拳法がシャム王国(=タイ)に伝わった拳法)の使い手だということを知ったビルマ王は 「ビルマ軍兵士10人と戦い、全員に勝てたら自由の身にしてやろう」 と約束。そしてナイ・カノムトムがビルマ王の前でこのビルマ兵士10人に勝利し自由の身となる。このナイ・カノムトムが“ムエタイの始祖”となり、彼を讃え、3月17日はムエタイの日となった。
このアユタヤでの一戦で使われた技がムエタイの起源といわれ、生死を賭けた戦いの前にナイ・ カノムトムが作戦を練る時間稼ぎと踊りながら地形をチェックするために「ワイクルー(師に礼を示す意味)」を披露したことから、ムエタイの試合前にはワイクルーを舞うことが習慣化することとなったという。
このイベントは、ナイ・カノムトム像が祭られているアユタヤ歴史公園で行われ、ムエタイ戦士が集まり、感謝の意を込めてナイ・カノムトムに合掌するというもの。毎年開催されてきたが、世界中でコロナがまんえいしたことで、昨年に5年ぶりの開催。今年は例年と同じく、この祭典にムエタイを学ぶ世界43カ国、実に1,000人ものムエタイ戦士が朝から大集結(参加人数が多い国はイギリスが最多で、イタリア、フランス、ブラジル、ロシアと続く)。
2014年にはK-1MAX & S-cupの2大世界トーナメントを制したブアカーオ・バンチャメークが特別ゲストとして壇上に立ち、参加者全員と一緒にナイ・カノムトムやこの日のために集まったタイのグランドマスターたちに捧げる合同ワイクルーを披露したが、今回登場したのはONEストロー級ムエタイ&ストロー級キックボクシング世界王者のプラジャンチャイ・PK・センチャイ。1,000人のムエタイ戦士たちが会場で一同にプラジャンチャイと息を合わせて踊るその光景は圧巻といえるものだった。
タイ政府認定・ムエタイAライセンストレーナーで世界古式ムエタイ指導者協会のグランドマスターのスパン氏(Be Muay)は「毎年のセレモニーは、タイ国内だけでなく、世界中からムエタイ関係者や選手、生徒が集まります。毎年彼らに会い、さらに成長や変化を目撃する機会があることをとても嬉しく思います。長年参加していると、その点でより感慨深くなります。多くのマスターにとっても同様で、互いに会える機会を楽しみにしています」とイベントの感想を述べた。
また「ムエタイはここ数年で大きく変化し、進化を続けていますが、その真髄は変わりません。私の使命は、ムエタイをタイの芸術文化として、深い理解、そして伝統と共に、後世に伝え残すことです。そのために、今後もタイ国内での指導者育成や、世界各国でのセミナーに注力していきたいと考えています」とムエタイ普及に力を入れて行きたいとしている。
イベント後には、アユタヤ遺跡の中でも有名なマハタート寺院前に場所を移動。アユタヤの遺跡に煌びやかな光線が放たれる中、豪華タイ料理を食べながら“アメージング・タイランドショー”と題されたセレモニーを鑑賞し、各国の関係者の交流が行われた。
今年で17回目を迎えた「ワールド・ワイクルー・ムエタイ・セレモニー」は例年、参加者は増加している。3月17日はアユタヤ入りし、幻想的かつ迫力十分なので合同ワイクルーを見るだけでも一見の価値があるといえるだろう。
(協力:タイ国政府観光庁)
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