2025/12/22（月）UP
（最終更新：2025/12/22 21:25）

惜しくも敗れたライアン（左）

　12月21日（日）、大阪・世界館にて『闘宝伝承37 アレクサンダー大塚デビュー30周年＆男盛デビュー20周年記念大会』が開催された。同大会では船木誠勝の息子・船木ライアン（フリー）がMMAデビューを果たしたものの、惜しくも判定で敗れ白星発進とはならなかった。

▼第7試合　MMA フェザー級　3分2R
〇鈴木幹也（戦ボクシングジム）
判定2-1　※マスト判定
●船木ライアン（フリー）

　ついに蘇ったサムライジュニア・船木ライアンがMMAデビューを迎える。戦前、力強く「勝ちます」と勝利宣言していただけに、その真価が問われる。先の入場はライアン。セコンドにはライアンの父であり、“400戦無敗”ヒクソン・グレイシーに肉薄した男・船木誠勝がつく。やや緊張の面持ちのライアン。

鈴木（右）の打撃がライアンにヒット！

　1R、まずはライアンのローキックがヒット。鈴木は、鋭い踏み込みからのワンツーをテクニカルヒットさせる。ローキックとパンチの緊張感ある応戦が続く。コーナーに押し込むライアン。しかし、ここでなんと、ボクシングが主武器と思われていた鈴木のテイクダウンが綺麗に決まる。上から強烈なパウンド。ライアンは隙を突いての三角絞め。これを持ち上げ叩きつける鈴木との攻防となる。

　ライアンは、鈴木の足を取って深く三角絞めの体勢から腕を伸ばす。ガッチリ極まったかと思われたが、鈴木は少しずつ態勢をずらしながら、これを耐える。明らかに寝技を知っている様子だ。このままラウンド終了。ライアンは決め切れず。

　2R、鈴木が積極的に前へ出る。左右のフックがヒット。やや効いたのか、ライアンはサークリングで逃れる。鈴木の鋭い踏み込みからの左フック。これも顔面を捉える。パンチで前に出る鈴木を、前蹴りで突き放すライアン。鈴木の右ストレートがヒット。そこからコンビネーションを織り交ぜるなど、パンチ技術に差が見られる。顔面を気にするライアン。ここでタイムストップがかかる。

ライアン（右）が果敢にタックル

　再開後はパンチの打ち合いから前に出るライアン。場内が沸く。鈴木の左フックから右ストレートがヒット。堪らず組みつくライアンだが、鈴木は腰が強い。鈴木の投げ。これは耐えたライアンが四つの状態から膝を放つ。鈴木を必死にコーナーに詰めたところで試合終了のゴング。

　勝敗は旗判定へ。1Rのフィニッシュに近づいた極めを取ったジャッジ、イリエマン以外は鈴木を支持。“サムライ2世”ライアンのMMAデビュー戦は、黒星スタートとなった。

　試合後、対戦相手に選ばれた鈴木は、「柔道経験者か」の問いに、小学校からやっていたと回答。過去にMMAの経験もあり、来年2月に開催されるDEEPへ参戦予定であることも明かしている。

　ライアンの父・誠勝は「デビュー戦でやはり硬かった。練習でできたことができてないなと。強い選手だったんで、最後までいけたからいいかと。感動を与えられる選手になれればいいかなと。格闘家はここからなんで。ライオン（ライアン）になるつもりで谷底から這い上がって欲しい」とコメントを残した。

　ライアンは「（相手は）MMA6戦無敗だと聞いていて、1Rにパンチも当たったのですが、目が死んでなくて長引くと思いました。少しスタミナ不足だったかも」と反省の弁。

　記者の、父・船木誠勝がUWFや過去の戦いで見せてきた何があってもあきらめない心を今後見せて欲しいとの言葉に、涙目になりながら「（父の）バス・ルッテン戦のように何度倒されても、立ち上がって、這い上がっている試合。自分に足りないものは気持ちだと思うんで、一から作り直します」と言い残して、会場を後にした。

【フォト】船木ライアンの三角絞め！父・誠勝とのツーショットも
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