2019/07/03（水）UP
（最終更新：2019/07/30 17:24）

『KNOCK OUT』女子エース・小林愛三

　7月5日（日）東京・後楽園ホールにて開催される立ち技格闘技イベント『RISE133』では、紅絹（もみ・34＝NEXT LEVEL渋谷）と那須川梨々（16＝TEAM TEPPEN)がアトム級王座を争うメインイベントを筆頭に、2003年の旗揚げ以来、過去最多１大会4試合の女子試合が組まれている。

　そのうち第5、6試合では49kg以下の「RISE QUEENミニフライ級王座決定トーナメント」準決勝2試合が行われるが、第6試合で対戦する初代ムエタイオープン女子フライ級王者・小林愛三（23＝NEXT LEVEL渋谷）とNJKFミネルヴァアトム級1位・佐藤レイナ (19＝team AKATSUKI)から試合直前の声が届いた。

　まずは小林。『KNOCK OUT』女子部エースとして活躍してきた小林は、強烈な右ミドルと気迫あふれるファイトを武器にデビューから13戦無敗の快進撃。しかし2018年7月に『SHOOT BOXING Girls S-cup』でイリアーナ・ヴァレンティーノ（イタリア）に判定負けを喫したが、今年4月の『KNOCK OUT』ではリベンジを果たしており、今回でも優勝候補筆頭に挙げられている。

前蹴りで突進する小林

　RISEへの初参戦について「新鮮な感じ。伸び伸びと自分らしくいきたい」と語った小林は、1回戦の相手である佐藤レイナについて印象を聞かれると「ちっちゃい頃から（格闘技を）やって身体に染みついてる部分がたくさんあって、動画を見ても気持ちも強いし、その中でもテクニックもあると思う」と、格闘技エリートの佐藤に警戒心を抱きつつも「階級的には自分より下で、動画を見ていても攻撃は軽いなと思ったので、怖さはない分、自分が怖さを見せつけて勝ちたい」と余裕とも思えるコメントで相手に早くもプレッシャーをかけた。

　小林の自信の裏付けは、今大会でメインに出場する紅絹（もみ）を始めとするジムの女子選手やプロボクシング世界王者などジャンルを超えて数多くの女子トップファイターとスパーリングなどで拳を交えていること。そして、強豪集う『KNOCK OUT』を主戦場としてきたことにある。

　その自負を踏まえ「本当に強いんだぞという所を証明したい」という小林は「KNOCK OUTのリングは強い選手が集まっていたリングだったんだなと、見てもらう人に思ってもらいたい。そのように自分が結果を出していきたい」と力強く語った。

小林の相手は伸び盛りの19歳の佐藤レイナ

　対する佐藤はREBELS王者の良太郎を師に持ち、サウスポーでミドルキックを中心に組み立てる激闘派。ジュニアキックで活躍後の2014年、高校進学と同時にプロデビューし、同年に早くもTRIBELATEピン級女王に。RISE初参戦の2018年6月には那須川梨々に敗れたが、気迫あふれるファイトで会場を大いに沸かせた。

　まず現在のコンディションについて佐藤は「（良太郎）代表の教えがキツいけれど、それだけ（対戦相手の）愛三さんに対抗する精神力がちょっとずつついてきていると思う」と語り、前回に続き二度目の参戦となるRISEについては「前回出た時も選手のプロデュースとか、試合当日も会場の雰囲気がすごく豪華。今一番メジャーな団体だと感じました」と、ビッグマッチを連発するRISEへの参戦を素直に喜んでいる様子だ。

　対戦相手の小林については、試合が決まるまでライバル心などは皆無だったこともあり「ふだんから優しくて容姿も素晴らしくて大好きで尊敬していた」と絶賛。ただし、今回の対戦が決まると「その瞬間に試合とか改めて見直して、超怖いなと思いました」と苦笑い。それでも「自分の長所を貫き通せば勝てるなと思った」と、こちらも小林同様、静かながらも確かな自信をのぞかせると、「結果を残していって、いずれは女子格闘技界の先頭に立ちたい」と野望を語った。

　面白いのは、今回のRISE QUEEN王座の前女王で、現在はキック指導にあたる神村エリカ（26）に小林、佐藤がそろって熱い思い入れを抱いていること。最近、雑誌で神村と対談したという小林は「人を倒すには…というのを突き詰めていて、本当にカッコイイ」と神村の印象を語り、リング上での殺気を含めた気持ちの持ちように大いに刺激を受けた様子。対する佐藤も、格闘技の選手に興味がない中、唯一憧れたのが神村とのことで、「その神村選手が巻いただけに、このベルトへの想いは人一倍強い」という。

　小林が「楽しみにしてほしいのはハイキック。殺気バンバンでいきます」と語れば、「ジュニア出身らしい綺麗なテクニックで勝ちたい。番狂わせを起こします」と佐藤。技の応酬はもちろん、互いのベルトにかける思いが激しく交錯する一戦となりそうだ。

☆7.5 RISE 全試合順、試合スケジュールはこちら

フォロー

●編集部オススメ

・小林愛三vs佐藤レイナ、寺山日葵vs後藤まきがトーナメント初戦で対決