2021/09/03（金）UP
（最終更新：2021/09/03 09:36）

9月11日にデラホーヤ（左）が13年ぶり復帰、元UFCライトヘビー級王者ベウフォート（右）と対戦する

　かつてボクシングで6階級制覇を成し遂げ、現在はボクシング・プロモート会社『ゴールデンボーイ・プロモーション』の会長を務めるオスカー・デラホーヤ（48＝米）がマニー・パッキャオとの敗戦から13年ぶりにリングに戻る。対するはMMA界のレジェンドである元UFCライトヘビー級王者ビクトー・ベウフォート（44＝ブラジル）で、9月11日（現地時間）カリフォルニア州ロサンゼルスのステイプルズセンターでライトヘビー級8回戦で対戦する。

【動画】デラホーヤの対戦相手、ベウフォートのKOトップ5、1位はヴァンダレイ・シウバに秒殺KO勝ちした瞬間

　デラホーヤは昨日放送された『Morning Kombat』に出演し、「彼はUFCでノックアウトを連発している。
　周りの噂では、いつも”こいつはパワーがあるぞ”と言われている。彼はそのことで知られ、そのため選ばれたんだ」とベウフォートが対戦相手に選ばれた理由を語る。

ベウフォートが秋山成勲をパンチでKO、前のめりにバッタリ倒れる秋山

　ベウフォートはUFCではミドル級屈指のハードパンチャーとして知られ、相手を次々にマットに沈めてきた。プロボクシングでは、2006年にブラジルで1戦だけ経験。1RにKO勝利している。19歳でUFCに初参戦。いきなりヘビー級トーナメントを制した。
　UFCではヴァンダレイ・シウバや秋山成勲にも1RでKO勝利している。1999年4月からは日本の『PRIDE』にも参戦し桜庭和志らと対戦した。2004年1月にはUFC世界ライトヘビー級王座を獲得。2018年5月にリョート・マチダと対戦して敗れ、引退を表明。2019年には『ONE』と契約したがこれまで参戦していなかった。

　このパワーファイターと13年前の前戦から4階級上げライトヘビー級での対戦にデラホーヤは「私は良い顎を持っている。ヘビー級とは戦ったことがないけど、いいアゴを持っているんだ。スキルもあるし、準備はできている」と語った。

　デラホーヤは、48歳でのトレーニングの厳しさや、自分の人生を決定づけたボクシングへの復帰が、引退後の私生活を荒廃させた悪魔に対処する助けになると期待しているとも語る。引退後、アルコールや薬物依存に陥り、2度にわたる依存症の治療で完全に回復したと15年には報じられていた。

「引退するということは、自分の魂を失うということ。私が5歳か6歳の頃からずっと続けてきた自分の一部を切り離すことだ。魂を抜き取られた私は何に頼ればいい？アルコール、ドラッグ、etc」引退後は目標を失ったようだ。五輪でも金メダルを取りプロでも伝説的な戦績を残したデラホーヤ、しかし引退後、それと同等の刺激的な人生を求めるのは難しいかもしれないが多くの選択肢はある。自身で見つけるしかないが、デラホーヤは復帰を選んだ。
「引退していた間、私の人生はスパイラルに陥っていた。自分をよく見せ身だしなみを整え、さあ行こう、という感じだった。でも、俺は死にかけていたんだよ、兄弟。すべての感情が抑えられていたんだ。だから、俺は言ったんだ、もういいよ、自分のためにやるんだ。ボクシングが私の生活を救うと言ったら、それは文字通りの意味だよ」と語る。

　今年4月のジェイク・ポールvsベン・アスクレン戦では、会場で酒を飲み酩酊状態での観戦が心配されたデラホーヤ。今も悪魔の囁きと戦っているのだろう。確かに試合に向け生活を律しないと試合に勝てない。酒を飲み過ぎていると8Rも動くことができないだろう。これはエキシビションではなく、公式戦だ。デラホーヤはこの戦いをきっかけに、これからも参戦していく意向だ。

【選手データ】
・オスカー・デラホーヤ（48＝米）身長：179cm/体重ウェルター級（66.67kg※現役時）リーチ：185cm/構え：右/戦績：39勝（30KO）6敗/KO率66.67%/主なタイトル：史上初の6階級制覇王者、バルセロナ五輪金メダリスト（ライト級）

・ビクトー・ベウフォート（44＝ブラジル）身長：183cm/体重83.9kg（UFCミドル級）/構え：左/MMA戦績：26勝（18KO/3一本）14敗/プロボクシング戦績1勝（1KO）無敗/主なタイトル：第4代UFC世界ライトヘビー級王座（2004年）/UFC 12ヘビー級トーナメント優勝（1997年）

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