2023/06/16（金）UP
（最終更新：2023/06/16 06:20）

鈴木千裕は豪快なフックを公開した

　6月24日（土）に北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催の『RIZIN.43』のフェザー級タイトルマッチにて、王者のクレベル・コイケ（ボンサイ柔術）と対戦する挑戦者・鈴木千裕（クロスポイント吉祥寺）の公開練習が、15日、都内ジムにて行われ、恐ろしいほどパワルルなパンチを連打。あらためてKO勝ちを宣言した。

【フォト】”迫力満点”これがKOを量産してきた鈴木の強烈パンチだ！

　公開練習で鈴木は、パワフルなパンチをミットへ叩き込んだ。勝敗のポイントは、「僕がKOするか、クレベルが一本取るかでしょう」とこれまでと変わらないフィニッシュ予想をした。

寝技はパワーだと主張する鈴木。力で技術をねじ伏せることができるのか

　勝敗のポイントは、クレベルの打撃について。朝倉未来はYouTubeで、「思っている以上に打撃めちゃめちゃ強い。俺がやってきた中で、打撃は相当上位に入る」と寝技だけではなく打撃にも警戒が必要とコメントしていた。

　鈴木にクレベルの打撃について聞くと「自分は強いと思っています。寝技が突出しているため打撃はあまり評価されていないかもしれませんが、うまいですね。見た目、体格がガッチリな選手よりも細い選手の方が打撃が強い」と朝倉同様に警戒心を強めていた。

　クレベルの打撃テクニックについても「タックルに行く打撃と、倒しに行く打撃の使い分けがうまい」と鈴木は分析する。MMAは立ちからスタートするため、鈴木が打撃を当てるためにはクレベルの打撃をどこまで対策するかがポイントのひとつ。だが鈴木は、クレベルの打撃を評価しつつも「対策は関係ないです。思い切りバーンとぶつかるだけですよ」とアクセル全開で勝負をかけると明かした。

　打撃を当てに行き過ぎると、クレベルの寝技に捕まってしまいそうだが鈴木は「チャンピオンになるためには何かを懸けないといけない。僕はリスクなしでチャンピオンになる人を見たことがない。僕の場合だと、勇気を出して一発目を当てること」と意識していた。少しも躊躇することなく、打撃を当てる。これはクレベルが、最も嫌な戦術なのかもしれない。

　そして技術的な寝技の攻防の話をしていると鈴木は、「ぶっちゃけ力ですね、寝技は。フィジカルだと思います。どんなに腕十字や三角絞めに入られても、思い切り力で抜いたら外れるじゃないですか。ボブ・サップも言っていましたが、“パワーの前では技術は無意味だ”と。みんな堅く考えすぎなんですよ。テイクダウンされたらどうするんだって、立てばいい話なんで。テクニックで対応してやろうとか考え過ぎるから、やられてしまう」とシンプルに考えるようにしているという。

　かつてボブ・サップは格闘技経験ゼロで、“柔術マジシャン”アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと戦い、三角絞めを仕掛けられたまま、バスター（抱え上げてマットへ叩きつける）で外したことがある。最後は腕十字で負けてしまったものの、規格外のパワーは技術を無効にする瞬間があった。鈴木もチャンスがあれば、バスターを狙うとも話した。

　最後に鈴木は、「やられるならば豪快にやられて、勝つ時は豪快に勝つ。それが僕のMMA。その方がお客さんも喜ぶじゃないですか」と鈴木。話を聞けば聞くほど、思い切りのいい鈴木の打撃が当たるのでは？と思えてくるから不思議だ。

　どちらにしても、勝負は1R決着になりそうだ。ベルトを腰に巻くのは、鈴木かクレベルのどちらになるのだろうか。

▶次ページは、【フォト】鈴木、KOを量産してきた“ド迫力”豪快パンチとパワフルな蹴り技