2024/10/02（水）UP
（最終更新：2024/10/02 17:40）

那須川が”進化”したミット打ち！

　10月14日（月・祝）東京・有明アリーナで行われる［WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦］で同級2位のジェルウィン・アシロ（23=フィリピン）と対戦する同級1位の那須川天心（26＝帝拳）が2日都内で公開練習を行った。
　那須川はミット打ち2R、シャドウ3Rの他、WBO同級2位クリスチャン・メディナ（メキシコ）と3Rのスパーリングで圧倒。前戦7月の公開練習では押される場面もあった相手に、那須川はロープへ詰め連打し、より“当てさせず当てる”進化の理由も語った。

【フォト・動画】那須川が”世界2位”を圧倒！高速シャドウ＆破壊力抜群のミット打ち動画も

　試合2週間前を切り、那須川は「見てもらえば分かる通り、減量中で顔も小さくなって、肌つやも良い。前回は出来が良かったが、更に調子が良い」と仕上がりに自信を見せる。

那須川が圧倒スパーリング！

　公開スパーリング相手のメディナは、前戦7月のロドリゲス戦前の公開練習でもスパーリングを行い、那須川は詰められる場面を何度か見せていた。
　しかし今回、重心は下がっていながらも円を描くようなステップでかわしては、上半身でのフェイントを多く入れ牽制。前進を躊躇する相手に、右ジャブからの左を入れてゆく。ラスト3Rには接近戦で打ち合い、ロープに詰めラッシュの場面も見せた。

　今回の相手アシロは、9戦（4KO）無敗の好戦的なタイプだ。那須川はアシロを「ディフェンスが強く、強いカウンターも打ってくる」と評価。

　その上で「僕と対峙すると、必然的に手が出なくなる、どうやっていいかわからなくなるマジックがある」とニヤリ。
　それは「見えないパンチ、打たないパンチをたくさん使ってゆく。僕の中では足もパンチだと思っている。他の人には無いステップ、踏み込みで倒してゆく」とパンチのフェイント、更には独特の脚運びも使い攪乱してゆくのだと言う。

会見で答える那須川、左に浜田剛史代表、右に粟生隆寛トレーナー

　更に那須川は「今までは相手から来たものに動いて、合わせていた。今は自分が相手を導いて、そこに攻撃を当てる。支配、相手を制することが出来るようになった。4ヶ月でこれだけ変われるという所を見せる」と進化を語る。
　また「前までは打って終わっていたが、今は相手との“糸”みたいなものがずっと張ってる。間が切れない」と流れが途切れなくなったのだと言う。

　一方、スパーリングでは何度か相手のパンチを貰うようなシーンがあり、報道陣の中では「被弾が多くなったのでは」との声も聞かれた。
　しかし那須川は「そう見えるかもしれないけど、それは紙一重を意識しているから」と、分厚いヘッドギアや16オンスのグローブでは当たっているようになるが、実戦ではミリ単位でかわしていると語る。
　今回被弾が多く見えたということは、ギリギリでかわす精度も上がっているということだろう。

　実際スパーリング相手のメディナも「彼のスピードやパンチ力、さらには精度、角度も凄く上がっている。自分が打とうと思うと動いている」と成長に舌を巻く。

　今回の勝ち方について天心は「前回のKOで、パワーが増したと言われるけど、パワーは多分ついてない。内から来るタイミングや、身体の使い方、自分の体勢で打てるようになり、威力が上がったように見える。パワーで倒すと言う感じではないので、流れの中で倒すと言う感じ」とことさらKOを狙うわけではないが、結果的に倒すと語った。

　更に進化した那須川は、WBOアジア王座を獲り、期待の世界戦へ繋げることが出来るか。

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