”ローキック”炎上のWBA王者ボール、実はムエタイ世界王者だった！井上尚弥との対戦あるか

2025/03/17（月）UP
（最終更新：2025/03/17 12:41）

　3月16日（日本時間）英国で開催されたプロボクシングでは、WBAフェザー級王者ニック・ボール（英国）がTJ・ドヘニー（アイルランド）に10回TKO防衛。しかしボールが1R終了時にドヘニーの下半身を蹴りつけ、首を抱えて投げるなどしてネットで炎上していた。
　ボールはインタビューで「昔やっていたムエタイのクセが出たんだ」と弁明。調べてみると、ボールは13年にムエタイのジュニア世界王座を獲得し、過去のSNSにも写真がアップされている。

【フォト・動画】ボールの”ムエタイ王者”時代、今試合でも首相撲のような投げ！

　問題のシーンは、1Rにボールがコーナーに詰めゴングも、ドヘニーはヘッドロックを外さない。ボールが放せと怒鳴るも、ドヘニーはニヤリと笑ってそのまま締め付ける。

　これに怒ったボールが無理矢理ふりほどき、更にドヘニーの尻から太ももにかけてを左ローキック！ドヘニーは崩れ落ち、一度立ち上がるも、またも倒れ込んでいた。
　しかしレフェリーは両者に注意を与えるのみだった。

　ボールは今までにも、試合中に首投げを行ったり、投げた相手にそのままパンチしダウンを奪ったこともある”荒々しい”ファイトスタイルだ。
　今回も9Rに首相撲からの投げ！これは減点された。
　それにしても”ローキック”はやりすぎとの声が多く出ていた。

　ボールは試合直後『TalkSPORT Boxing』に、”あの蹴りはどこで練習していたのか”と聞かれると「子どもの頃にやっていたムエタイのクセが出たんだ。フラストレーションが溜まっていたし、相手が先に汚いことをしてきたから、やり返した。それが俺たちの教えなんだよ」と、なんとムエタイの蹴りだったと明かした。

　調べると、地元誌『Liverpool Echo』では2013年5月、14歳のボールが取り上げられ「38-40kg級の新世界ムエタイチャンピオンになった」と書かれている。また「彼はヨーロッパとイギリスでの長い功績リストにゴールドベルトのタイトルを加えた」と、国内・地域タイトルも数多く獲っていたとのことだ。

　実際、ボールや、彼が習っていたムエタイジムのFacebookを見ると、幼いボールがムエタイパンツを履き、誇らしげにトロフィーを抱えている姿が何枚も見られた。
　ボールは当時からボクシングも習っていたが、157㎝の小兵ながら、あの驚くべき体幹の強さはムエタイのキック、首相撲などで培われたものだろう。

　ボールは他に、”ローキック”した理由として『Boxing Scene』に「俺は何も失礼なことは言ってないのに、彼は最初から俺に対して無礼だった。しかも、俺は世界チャンピオンだぜ？ ちょっと生意気すぎるだろ。やってしまったのはそういう理由もあったかもしれない」と、試合前からの舌戦が尾を引いていたかもしれないとも言う。

　もっとも、キックしてしまった瞬間は「正直、あれで終わるかと思ったよ。失格にしなかったことには感謝してるよ」と失格を覚悟したと言う。

「もう2度とやることはない」と語ったボール。この試合後、井上尚弥がSNSで「蹴っちゃダメだよ」「僕は2つの拳で十分」と反応し、ボールも「井上に勝つのは俺だ」と発言しており、2人の対戦も今後は考えられる。 　井上がフェザー級に上げれば対戦も実現するだろう。ファンは井上に「ボールを成敗して欲しい」というコメントが目立つが、果たして実現なるか。

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