2021/12/20（月）UP
（最終更新：2021/12/20 18:41）

事故直後のアントゥネス。横転する車が生々しい。＠vaniltoantunesより

　タイトル戦の3日前に自動車事故に遭うも、見事に王者となったブラジルMMA（総合格闘技）の若手人気選手の奇跡の大逆転ストーリーが話題となっている。

　ブラジルの格闘技メディア「Combate」が12月18日に掲載した取材記事によれば、ブラジル人MMA選手のバニルト・アントゥネス（26）は、11月18日にリオデジャネイロで運転中、他の車から側面から衝突され、車が3度も横転し大破する大事故に。

　奇跡的に無傷で助かったアントゥネスはその3日後に開催された格闘技イベント「Favela Kombat 35」メインイベントのウェルター級タイトル戦に出場。王者・ウエメルソン・フェレイラを判定で下し、新王者となった。

　アントゥネスは取材で、当時の事故をこう振り返る。「自動車を運転していたら、突然ドーンという音が聞こえ、気付いたら、車が道路の真ん中で逆さまになっていた。煙が出てきたので、車が爆発すると思い、必死で足で窓ガラスを割って脱出したんだ。本気で死ぬかと思った」

　奇跡的に怪我がなかったとはいえ、一歩間違えれば、確実に死んでいた人生最悪の出来事。大事故のショックという精神的な動揺を抱えながらの、残り2日間の減量は相当に、過酷だったことは想像に難しくない。
　しかし、アントゥネスは激闘のフルラウンドを戦い抜き、見事王者のベルトを獲得。試合後、仲間に祝福され、男泣きした。

　敬虔なクリスチャンのアントゥネスは自身のSNSに、その事故と試合で勝った様子を編集した映像を掲載。「悪魔はあらゆる方法で私の人生を破壊し、夢を奪おうとする。しかし、この出来事から、私はそれに負けないという自信を持った。私は神様に守られている」と、神に感謝するメッセージを添えた。

　この投稿には「あなたは神の祝福を受けたファイターだ」「奇跡のチャンピオン」などと、多くの祝福メッセージが寄せられている。

　アントゥネスはMMA13勝5敗の成績を持ち、勝ち試合で11KO・1一本の決定率の高い20代の選手だ。UFCでも活躍する姿が見られるかもしれない。今後の活躍に注目だ。

【選手データ】（2021年12月20日現在）

バニルト・アントゥネス（26歳・Vanilto Antunes・ブラジル）
階級：ウェルター
戦績：13勝(11KO・1一本)5敗（TAPOLOGY参照）