2019/06/28（金）UP
（最終更新：2019/07/05 16:54）

那須川梨々が天心を追い抜き最速タイトル奪取を狙う

　7月5日（金）東京・後楽園ホールにて開催される立ち技格闘技イベント『RISE（ライズ） 133』のメインイベントで、紅絹（もみ・35＝NEXT LEVEL渋谷)とのRISE QUEENアトム級（46kg）王座決定戦に臨む那須川梨々（16＝TEAM TEPPEN）が、ベルトを巡る大一番に向け意気込みを語った。この試合に勝てば、天心の6戦目を抜き4戦目での戴冠となる。　

　梨々はジュニアキックボクシングで数々のタイトルを獲得。“神童”天心の妹としても注目を浴び、2018年6月にRISEでプロデビューするとNJKFミネルヴァ・アトム級2位の佐藤レイナを判定で撃破、2戦目でNJKFミネルヴァ日本アトム級王者・百花（26＝魁塾）に判定負けを喫するが、本王座決定トーナメント1回戦では平岡琴（28＝TRY HARD GYM）に勝利し、プロデビュー4戦目にして早くも王座獲得まであと一歩に迫っている。

　紅絹は2006年10月にプロデビューして以来、すでにキャリア50戦を超える大ベテラン。2012年11月にJ-GIRLSミニフライ級王座を奪取、2016年4月には第2代Krush女子王座に挑戦するなど、キャリアを通じて女子軽量級のトップ戦線で戦い続けており、この5月には香港で香港王者のヘレン・チャンを撃破し勢いに乗る。

兄、天心とマススパーを行う那須川梨々＝18年11月

　試合まで約一週間、梨々は調整良好で紅絹対策にも自信をのぞかせる。
「練習ではパンチからの蹴りなどのつなぎを強化していて、天心といい感じで追い込めていて作戦も万全です。天心からは“この作戦でいけば絶対勝てるから！”とも言われてます。」

　紅絹の技術面については「攻撃のタイミングがうまいですし、パンチにキレがあるのでそういうところが自分よりも上回っていると思いますね。カウンターを狙ってくるので、私もカウンターを合わせていこうと思います」とカウンターそしてパンチから蹴りの繋ぎで勝ちを狙う。
　紅絹とのキャリアの差については「キャリアは関係ないと思います。向こうの方が実戦慣れもあるかもしれませんが、私もアマチュアでの試合経験もありますし、あまりそういうのを気にしないで全ての面で紅絹選手に上回っているという気持ちで試合に臨みます」と紅絹の実力を認め、挑戦者の気持ちで真っ向勝負を挑む。

破壊力のある前蹴りを出す紅絹

　気持ちの面でも紅絹を警戒。その理由は母（那須川由美子さん）から『ババアの底力をなめるなよ。ババアは負けたらその先がないんだからね』と言われていることからだという。紅絹はまだ35歳で、ババアとは言いすぎだが彼女はこれまでの経験と試合勘が伸び勢い付く。

　そんな強豪に対し「色んな人から期待されているので、ここは自分が獲らないとダメなベルト」だと言い、更に兄天心がプロ6戦目でRISEのタイトルを獲得したが、梨々が勝てばプロ4戦目でベルトを巻くことになることについては「兄に上回れるところがないので、今回勝ってそこだけは上回れればいいなと思っています」と4戦目でのチャンピオンを狙う。

　もしベルトを獲ったら、自身のチャンピオン像を聞くと
「ずっと防衛し続けるチャンピオンになりたいですね。RENA選手、神村エリカさんと並ぶ選手になりたいですね。勝ってRENA選手と対戦ですか？　まだ早いですね。決まったらしっかりと練習しないと難しいと思います。とりあえず、今回友達とか、たくさん来てくれるので、みんなの期待に応えて絶対にベルトを獲ります」
　兄、天心を上回る最速チャンピオン誕生に期待がかかる。