【ボクシング】引退した八重樫東「これからも激闘王として人生を戦う」
9月1日(火)に引退を表明し、所属ジムで関係者のみのオンライン引退式を行った元プロボクシング世界3階級制覇王者・八重樫 東(37=大橋)が同日(1日)深夜にSNSで引退の報告と今日までの思い、そして明日からの意気込みを綴った。
「勝ったり負けたりのボクシング人生でしたが、支えてくださる沢山の方々のおかげでここまで戦い抜く事ができました」と、まずは感謝を述べ、自身の所属するジムに多く所属しているファイターについて、「大橋ジムの後輩たちは、井上尚弥はもちろんの事、沢山の才能溢れる若い力が世界チャンピオン目指して頑張っているので、これからも大橋ジムを応援していただけたら嬉しいです」と、今後のボクシング界を盛り上げていく若きファイターにエールを送った。
そして「打ちつ打たれつのボクシングから“激闘王”と言うニックネームでボクシング界を多少なりとも盛り上げて来れたのは、強い体に産んでくれた両親のおかげです。そして、自分を世界チャンピオンにしてくれた3人の子供たち、本当にありがとう。これからも激闘王として人生を戦っていきますので、皆様これからもよろしくお願いします」と、今後の人生もボクシングと同じく、戦っていくと綴った。今後は現在の自身がプロデュースする飲食業の他にボクシングのトレーナーとして後進の指導を行っていく。
♢八重樫東 1983年2月25日、岩手県北上市出身。37歳。プロ戦績:35戦28勝(16KO)7敗
高校時代にインターハイでモスキート級で優勝、拓殖大学時代には国体でライトフライ級で優勝し、卒業後、プロに転向して大橋ジムに所属した。
2005年3月にプロデビュー、2006年4月にOPBF東洋太平洋ミニマム級をKO勝ちで王座奪取、2009年6月には日本ミニマム級王座も獲得した。
[初の世界制覇]
2011年10月24日、WBA世界ミニマム級王者ポンサワン・ポープラムック(タイ)に挑戦し、序盤から激しい打ち合いの末に10回TKO勝ちを収めて世界王座を獲得。
翌12年6月の防衛戦で、WBC同級王者・井岡一翔と統一戦を行い、判定負けし王座陥落するも、最後まで顔を腫らしながら戦い続けボクシング史にも残る大激闘を展開した。[2階級制覇]13年には階級をフライ級に上げWBC世界同級王者・五十嵐俊幸にダウンを奪う判定勝利で2階級制覇。14年9月の防衛戦では、当時39戦と無敗の快進撃を続けていた、ローマン・ゴンサレスと拳を交え9回で初のKO負けを喫するも、その激闘は多くの人々に勇気と感動を与えた。
[3階級制覇]15年12月にはIBF世界ライトフライ級王者ハビエル・メンドーサ(メキシコ)との激闘を判定で制し日本人男子3人目となる3階級制覇を達成。2017年5月に暫定王者のミラン・メリンドと王座統一戦に敗れ王座陥落。
[王座返り咲きへ最後の試合]王座返り咲きを狙い昨年12月23日、IBF世界フライ級王者のモルティ・ムザラネに挑戦も9回2分54秒で連打を浴び続けた八重樫をレフェリーがストップTKO負けを喫した。八重樫自身、この試合を“最後の戦い”と口にしていた言葉通り、これが最後の試合となった。
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