2021/03/03（水）UP
（最終更新：2021/03/03 16:48）

UFCウェルター級超新星チマエフ（UFC公式YouTubeチャンネルサムネイル映像より）

　UFCウェルター級で活躍する期待の超新星カムザット・チマエフ（26=スウェーデン）の引退発言に対し、何とチェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長が説得したことがわかった。

　昨年UFCに参戦し3戦全勝の成績を収め、UFC王者の逸材と大きな注目を集めたチェチェン共和国出身のチマエフは、今年に新型コロナウィルスに感染。

UFC超新星のチマエフが自身のSNSに引退宣言（自身のSNSより）

　体調の回復が間に合わず3月13日に予定していた試合がキャンセルとなった中、1日に自身のSNSに「このスポーツでの私の旅を支えて下さった皆様に感謝の気持ちを述べます。私は終わってしまいました。ベルトを獲れなかったことはわかっていますが、人生で最も大切なことは勝利ではない。皆さんを残念な気持ちにさせてしまいますが、全て自分の心と身体から聞いたことです。私のチーム、UFCに大きな感謝をしたい」と、明かに引退を示唆するコメントを残した。

　この投稿にファンを始めとする多くの関係者が衝撃を受け、UFCのダナ・ホワイト社長は1日に配信された米格闘メディア『MMAJunkie』の取材で「彼は練習できない状況に今は感情的になっているだけ。彼が辞めることはない」と、チマエフの復帰を信じるとの発言をしていた。

チェチェン共和国のカディロフ首長（右上）が、チマエフと会話した様子を投稿（チェチェン共和国観光省の公式SNSより）

　その中で、大の格闘技スポーツファンで知られるチェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長が直接チマエフと連絡をとり、引退しないよう説得をしたことを自身のSNSで明らかにした。
「病状の回復が遅いことから、嘘をつきたくないと考える彼は、ファンに下手な期待を与えないように（あの発言を）した。そこで、私は彼に伝えたんだ。全てのチェチェンの人々はこのニュースに動揺している。君から影響を受けたすべての若者が君の“勝利”に期待している。ロシアだけでなく世界中の君のファンが、そう願っている」と、重い病状で弱気になっているチマエフを勇気付けたという。

　カディロフ首長はさらに、この説得からチマエフが早期の回復に全力を尽くすことを約束し、近い将来にチェチェン共和国でリハビリとトレーニングキャンプを行だろうと話した。

　カディロフ首長の発言からチマエフの復帰も期待されるが、果たしてそれが実現するのか注目だ。

▶︎次ページ（動画）は、チマエフの驚愕の“17秒”秒殺KOシーン（前戦となる昨年9月のマーシャート戦）