2022/04/03（日）UP
（最終更新：2022/04/03 18:17）

右フックを風音（左）にカウンターで合わせる天心

　4月2日（土）代々木第一体育館で開催された『RISE ELDORADO 2022』で、同門の風音（23=TEAMTEPPEN）を相手に2-0の僅差の判定勝ちを収め、RISEラストファイトを行った那須川天心（23=TARGET/Cygames）が、一夜明け会見に出席した。

【スロー動画】天心の左で風音がぐらつく！風音のリードパンチを天心が被弾するシーンも

　昨夜の試合後会見では「試合内容に満足していない」と語っていた那須川。会見の冒頭では伊藤代表が減量苦だったことを明かした。

RISE卒業マッチを終えた那須川が一夜明け会見

　那須川も「今回はめっちゃ追い込んだんですけど、最後の追い込みで逆に体重が増えちゃって。こんなの人生で一回もない。1週間前に3日間いっさい飯をとらないで、フラフラでした」と減量苦を認めた。
　さらに「いざ試合したら、力入らなくてやべえみたいな」と減量苦が不調に影響したことを語る。

　その苦戦した相手・風音は、那須川得意の左ストレートを出させず、右のガードを固めて戦った。さらに接近戦で、那須川にカウンターを出させない作戦もあったと思われる。

「作戦は立てなかった」と言う那須川

　那須川自身は風音に、どんな対策をしていたのか。編集部が問うと、那須川は「対策自体は立てていなかった」と驚きの返答だ。
　その理由は「自分の思った動きをやろう。その時その時、思った動きをやろうかな」とフィーリングで戦おうとしたからだと言う。

　試合前にも「本当に作戦もないです。無意識にやれるように準備しています」と語っていたように本当に作戦を立てなかったようだ。

　代わりに重視していたのは「攻める、ということ。今までのスタイルじゃなく、自分の心とか色んなモヤモヤした部分を壊す。そういうものと戦っていたような気がします」と攻撃的に戦おうと心がけていたようだ。

　左の攻撃を徹底的に対策された那須川だが、風音の右ローキックであいたガードを見逃さず、左ストレートをクリーンヒットさせグラつかせたシーンもあった。

15歳から約8年間、ホームとしてきたRISEの代表・伊藤隆氏と

　試合を振り返って、うまくいった部分は「いつもだったら攻めない所を攻めたり、そういう所が出来たのかな」と攻撃的になれた部分があったと言う。
　しかし「やっぱ荒かったかなというのが大きい」と課題もあった。

　今回は父親の那須川弘幸会長が風音にセコンドに就き”前代未聞の親子喧嘩”と言われた一戦でもあった。

　同席したRISE伊藤隆代表は「リング上でも、試合終わった後も、親子喧嘩みたいなのをしてた。控室でもまだやっていた。次は親子結束して。負けられない試合なんで」と今回の那須川の動きに、弘幸会長は納得いかなかった部分も多かったようだと語る。

試合後、父に挨拶をした那須川天心

　この”親子喧嘩”について尋ねられると、那須川は「僕は何も言っていないですけど」と那須川自身は、弘幸会長の言葉を受け止める一方だったようだ。
　これについて伊藤代表は「那須川会長のイメージと、天心の動きが違うと思うんですよね。そこで那須川会長が悔しかったと思うんです。天心の動きに対して『それじゃないだろ』という気持ちがあったんじゃないかと思いますね」と弘幸会長の心情を想像し、説明した。