2020/06/02（火）UP
（最終更新：2020/06/11 17:57）

(左から)HIROYUKI、石井一成、名高・エイワスポーツジム、和田拓飛

　6月28日（日）ムエタイ興行団体『BOM～The Battle Of MuayThai〜』が、無観客大会を行う。場所は非公開で、BOMのYouTubeチャンネルでのライブ配信となる。

　BOMは当初5月31日に横浜・大さん橋ホール、6月8日に大田区総合体育館での興行を予定したが、新型コロナウイルス拡大防止の観点から断念。またムエタイ本場であるタイからも選手が渡航出来なくなってしまった。

　現在、緊急自粛宣言は解除されるも、スポーツ界では大会が開催されてもテレビ・ネットTV配信による無観客大会のみという現状だ。BOM代表の中川夏生氏は「（中止されてしまった）試合に向けて厳しい減量に耐えていた選手のやり場のない思いを開放したい。どこかでやらなきゃいけない」と考えた。

KOで勝利しWPMF世界王座を獲得した石井（右）=昨年2月

　中川氏は「先日、無観客で行われたRoad to ONEや7月に行われる予定のRISEなどに出場する選手がいる中、ヒジありのムエタイ選手たちが戦える場所がない」とし、5月や6月に予定していた大会で声をかけていた選手たちを中心に、自前での無観客試合を開催しようと決意。本来BOMは本場強豪のタイ人との対決が一つの売りだが、今回は日本人強豪同士でのマッチメイクを行うことにした。

　選手たちのファイトマネーは大手クラウドファンディングサイト『CAMPFIRE』で募集するが、万が一目標額である250万円に達さなくても試合は行う。

　CAMPFIREサイトには「今までは、選手がチケットを手売りして運営費用やファイトマネーの大半を捻出し、それを補う形で協賛企業の力を借りて運営しておりました。しかし現状、集客をすることはできません。そこで無観客・無料配信で試合を行うためにお力をお貸しいただけないでしょうか」と書かれている。

　メインイベントでは、昨年設立された『BOMスーパーフライ級王者』の王者決定戦（3分5R）として、初代KING OF KNOCK OUTフライ級王者のイッセイ・ウォー・ワンチャイ（石井一成／21=ウォー・ワンチャイ・プロモーション）vs新日本キックバンタム級王者・HIROYUKI（24=RIKIX）が対決。

4月の無観客試合でKO勝利したHIROYUKI (C)Road to ONE Executive Committee

　石井は、福岡に拠点を置きアマチュアで14冠を達成してプロデビュー。”西の神童”と評されるスピードのあるパンチや鋭いローキックを武器に日本、タイを股にかけ活躍し、IBFムエタイ世界フライ級王座、WPMF世界フライ級王座、初代KNOCK OUTフライ級王座など国内外の様々なタイトルを獲得している。今回また新たなベルトを巻いてしまうのか。

　対するHIROYUKIは新日本キックが誇る天才ファイター。2017年5月に瀧澤博人を下し日本バンタム級王座を戴冠。フライ級に続いての二階級制覇を達成した。昨年12月にはJ-NETバンタム級1位のMASAKINGにKO勝利。今年4月の無観客試合『Road to ONE』では在日タイ人相手にオープンフィンガーグローブで対決、これもKO勝利している。

二大殿堂を制した神童・名高（写真）が新世代ファイターと対決

　5月には古巣である藤本ジムの藤本勲会長が逝去、HIROYUKIもツイッターで「これからも僕らが目黒の意思を継いで闘っていきます」と述べていた。HIROYUKIは勝ってベルトを掲げることが出来るか。

　またセミファイナル第一試合では、50kg契約（3分5R）で日本人初のラジャダムナンとルンピニー統一王者となった名高・エイワスポーツジム（吉成名高／19=エイワスポーツジム）が参戦。ジュニア五冠王タクト・ウォー・ワンチャイ（16＝和田拓飛／ウォー・ワンチャイ・プロモーション）と対決する。

16歳の新鋭・和田（右）はどのような戦いを見せるか

　名高は動画で「幼い頃からタイで試合をしていたのですが、新型ウイルスの影響でタイに行くことが困難になってしまいました。本当に今までの環境が恵まれていたんだなと思います。無観客試合に出場したいと思っています。クラウドファンディングで皆様からご支援いただければありがたく思っています」と呼びかけ、自らもリターンとしてサイン入りTシャツなどを提供している。

■BOMのクラウドファンディングプロジェクト／CAMPFIRE

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