【5年前の今日】那須川天心が16歳でプロ初王者に輝いた日(15.5.31)=動画あり
2015年5月31日、RISE史上最年少となる16歳のチャンピオンが誕生した。那須川天心だ。
那須川はジュニアキック時代から“天才”と謳われ、アマチュア戦績は105戦99勝(37KO)5敗1分。14年の春に高校へ進学したばかりで、同年7月にプロデビューを果たした。そこから5戦5勝(4KO)の戦績をあげ、デビューから1年足らずでタイトルマッチまでたどり着いたのである。
一方、迎え撃つ村越優汰もまだ20歳の若き王者。15勝(8KO)2敗の戦績で、今回のタイトルマッチ前まで実に9連勝。那須川がデビュー戦を行ったのと同じ昨年7月のRISE 100でトーナメントを制して第5代RISEバンタム級王者となり、今回が初防衛戦だった。
16歳vs20歳。ともに軽量級でありながらKO勝ちが多く、今後の格闘技界を引っ張って行く存在である。その2人の激突に後楽園ホールは超満員に膨れ上がった。
わずか6戦目でタイトルマッチ、しかもメインイベントという大舞台でありながら、那須川は「全く緊張しなかった。村越選手と向かい合った瞬間は“絶対に勝ってやる”という気持ちでしたね」と振り返る。
試合が始まると、村越は三日月蹴りやヒザ蹴りなど得意の蹴り技ではなく、パンチで那須川に対抗してきた。
序盤から両者のパンチと蹴りが交錯するスピーディーな展開となったが、那須川が放ったバックハンドブローで流れが変わった。
那須川は当時のインタビューで「バックハンドブローはずっと練習していたので、それが上手く入りましたね。その直後にもつれ合いになったんですが相手がフラフラしていたので、攻めようと思いました」と現在と同じく、試合に向けて練習してきた技が決め手となった。
村越は焦ったのか、やや遠い間合いでヒザ蹴りを出してしまう。そこへ那須川の左フックがヒットし、那須川がダウンを奪った。立ち上がった村越だがダメージは明らかで、足元がフラついていたがラウンド終了のゴングに救われた。
続く2R、那須川は左ストレートを連発して一気に襲い掛かる。この連打から逃れようとした村越に那須川の右フックが決まってダウンとなり、立ち上がった村越を今度は左ストレートでダウンさせる。最後は立っているのがやっとの村越にパンチの連打、一方的な展開となりレフェリーは那須川のKO勝ちを宣告した。
リング上のマイクでは「ここからがスタートだと思っています。他にも強いチャンピオンがいるので、俺が全員ぶっ倒します。俺が格闘技界を変えたいと思います」と高らかに宣言。そして16歳らしく「一緒に頑張ってくれたお父さん、お母さん、ありがとうございました」と目に涙を浮かべながら両親にお礼を述べた。
試合から数日が過ぎ、改めてインタビューすると、那須川は理想とするチャンピオン像を語った。
「チャンピオンになってから、自分がどれだけ強くなっていくか楽しみです。狙われる立場なので、これまで以上に努力したいです。誰からも尊敬されるチャンピオンになりたいです。そのためには、日頃からいついかなる時でもチャンピオンらしくないといけない。天狗になったり、態度がデカくなったりとかは絶対にダメです」と語る。そして「強い人はまだいっぱいいますから、自分が一番強いなんて思っていても、その人たちを倒して証明しないとダメだと思っています」と、プロ王者になったばかりの16歳は驕ることなくさらなる強さ、さらなる高みを目指した。以降、公式戦無敗を続ける那須川、21歳となった現在も格闘技界を大いに盛り上げ続けている。
▼【動画】那須川天心がプロ初王者に輝いた村越とのタイトルマッチ
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