2020/06/09（火）UP
（最終更新：2020/06/12 10:53）

プロハースカ（右）、強豪オーズデミア（左）との試練のデビュー戦はファイト・アイランドか

　元RIZINライトヘビー級王者イリー・プロハースカ（チェコ）のUFCデビューの地は、ファイト・アイランドになるかもしれない。
　ファイト・アイランドとはUFC代表ダナ・ホワイトが構想を発表していた「アメリカへ入国することの出来ない外国人ファイターたち」のためのプライベート島での試合場だ。

　6月9日、ESPNの記者ブレット・オカモト氏がツイッターで「速報。7月11日のUFCで、ヴォルカン・オーズデミア対元RIZIN王者イリー・プロハースカが決定」と報じた。
　今年1月にUFCへと移籍したプロハースカの初戦の相手は、以前から噂のあったUFC世界ライトヘビー級ランキング6位ヴォルカン・オーズデミア（スイス）に決定したようだ。

　問題は開催場所である。
　コロナ禍以後、UFCは5月10日の『UFC249』や6月7日の『UFC250』などを無観客試合として行ってきたが、全てアメリカ国内で、アメリカ在住のファイターたちに限ってのこと。
　プロハースカやオーズデミアなどはヨーロッパに住んでおり、アメリカへの入国は現状目処が立っていない状況だ。

作家がイメージして描いた秀逸なファイト・アイランド（@bosslogicより）

　現在アメリカはEUシェンゲン協定加盟国ヨーロッパ26か国に渡航歴のある人間に対して制限を敷いており、チェコ在住のプロハースカや、スイスのオーズデミアもその中に含まれる。
　しかし、ホワイトが以前構想を発表していた「アメリカへ入国することの出来ない外国人ファイターたちがおり、彼らをフィーチャーするため」”ファイト・アイランド”であれば開催できる抜け道となる可能性がある。

　開催日時と報じられている7月11日は、ホワイトがファイト・アイランドに向けて計画していると語っていた期間中なのだ。

　ホワイトは6月4日のポッドキャストで「最初のファイト・アイランドでの試合は、おそらく6月27日になる」と語っており、島の準備が進んでいることがうかがえる。果たして7.11は正式発表されるのか。

プロハースカは「@ufc」「#fightisland」、島とグローブの絵文字なども投稿（@jiri_bjpより）

　プロハースカは6月6日、自身のSNSに「@ufc」「#fightisland」と投稿し、UFCのファイト・アイランドのイベントに出場することを示唆しており、6月7日には同じくSNSで「UFCにチャンピオンベルトを獲りに行くぜ！」とコメント。
　プロハースカのコーチもSNSでオカモトのツイートを引用し「ああ、そうだ。7月11日、ファイト・アイランドで」と投稿している。

　また、オーズデミアもSNSでファイト・アイランドらしき島のイメージ画像に「Here we go!（さあ、行こう！）」と書いており、ファイト・アイランドでの試合は関係者の間では内定しているようだ。

■両者はともにKOを築く強打者、主な実績

元UFCファイターを1RKOするプロハースカ

　プロハースカはRIZINに、15年の年末に行われたヘビー級GPに初参戦。準優勝の後、連勝を続け、19年4月のRIZINライトヘビー級タイトルマッチでは見事KO勝利で初代王者の栄冠を勝ち取った。RIZIN10勝のうち、実に8勝が1RKO勝利という強打者。この実績から、今年1月にUFCと契約したことを発表していた。

　相手のオーズデミアはキックボクシングをバックボーンに持つストライカーで、18年1月に当時の王者ダニエル・コーミエに挑戦した経験も持つ（オーズデミアの2R KO負け）強豪だ。その後は連敗していたが、直近は2連勝で勢いを取り戻している。こちらも15勝のうち12勝がKO勝利と強打の持ち主だ。

　プロハースカは日本のファンの期待を背負い、”アイランドの決闘”で華々しくデビューを飾ることが出来るか。

フォロー

●編集部オススメ

・【UFC】元RIZIN王者・プロハースカのデビュー戦が決定か、UFCタイトル戦歴あるストライカーと激突