2021/03/05（金）UP
（最終更新：2021/11/09 02:54）

果たしてアデサニヤ（左）はミドル級のウェイトのままライトヘビー級タイトルに挑むのか(C)getty/wowow

　日本時間の3月7日（日）、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで『UFC259』が行われる。
　ライトヘビー級、バンタム級、女子フェザー級の豪華3大タイトルマッチが組まれた今大会。そのメインイベント、ミドル級王者イズラエル・アデサニヤ（31＝ニュージーランド）が、ヤン・ブラホヴィッチ（38＝ポーランド）の持つライトヘビー級王座に挑戦する。

　MMA20戦無敗のアデサニヤがミドル級王者のまま、史上5人目のUFC２階級同時制覇に挑むが、もし勝利すれば、史上初のミドル級とライトヘビー級の2階級制覇王者となる。

　その凄さや難易度をWOWOW『UFC-究極格闘技-』解説者としても知られる“世界のTK”髙阪剛が語った。

ブラホヴィッチのド迫力パンチが相手のアゴを捉える。１発が危険なKOに繋がる。（getty/wowow)

「ハッキリ言って、リスクは高いです。ライトヘビー級は93kg以下で、ミドル級の83.9kg以下とは9.1kgもの差があるんですよ。また、ライトヘビー級の選手というのは、通常体重が100kg以上の選手ばかりですから、もう“ヘビー級”と呼んでいいと思うんですよね。ちょっと他の階級とは次元が違ってくるので。」
となかなか厳しそう。さらには
「正直、“なんだ、アデサニヤ。何も通用しないじゃねえか”ということが起こってもおかしくない階級なんですよ、ライトヘビー級というのは。たとえば、テイクダウンを取られた場合、上に乗られてるだけで疲れるし、削られていく。そうなる前にどう対処し、攻略していくのか。それはアデサニヤにとっても未知の領域なんで、決して簡単なことではないですよね。」

　アデサニヤは、身長193cm、リーチ203cm。身長とリーチに関しては対するブラホヴィッチ（身長188cm リーチ198cm）と遜色ない。体重をライトヘビーまで増やしてくるのか。

「無理に体をデカくするのではなく、減量はしないけれど、ほぼミドル級仕様の肉体のまま、ライトヘビー級でも勝てることを証明しようとしてるんじゃないかと思いますね。だからこそ、ライトヘビー級に転向ではなく、ミドル級王者のまま挑戦という形にしたんだろうし、すごくロマンを感じさせてくれる挑戦だと思います。」

ブラホヴィッチ(左）vs.アデサニヤ(c)getty/wowow

　王者ヤン・ブラホヴィッチは、パワーを前面に出した、まさに“重量級”という選手だ。戦績は35戦27勝（8KO/9S）8敗。現在４連勝中で昨年９月にドミニク・レイエスとの王座決定戦にKO勝利し現王座に就いた。
「（ブラホヴィッチは）カテゴリーとしてはライトヘビーですけど、スタイルとしては“ザ・ヘビー級”ですよね。UFCのチャンピオンだから、もちろん技術レベルも高いものを持っていますけど、パワー、突進力、拳の硬さというのが一番の武器」

　圧倒的なパワーの差を技術で覆すことができるか。パワーvsテクニックという、わかりやすい図式だ。

「そういう気がしますね。そこを試してみたいというか。ただ、すごく危険な賭けだとは思いますけどね。アデサニヤサイドから考えると、当たり前のことですけど、いかに相手の攻撃をもらわず、自分の攻撃を当てるのか、ということですね。ブラホヴィッチの打撃には、一発で意識を飛ばす力があるので。」

　アデサニヤは、ここまでMMA20戦全勝（15KO）だが、試合の中でけっこう相手の打撃をもらってはいる。
「ケルヴィン・ガステラムとのミドル級暫定王座決定戦（2019年4月）なんかは、とくにそうでした。これまでアデサニヤは、多少効かされたとしても、打たれながらも打ち返して倒せる自信を持っていると思うんですよ。でも、ブラホヴィッチの打撃をもらったら、同じようにはいかないと思うので。今回ばかりは、顔を触らせないというのが鉄則だと思うんです。ブラホヴィッチの打撃は、ガードの上からでも効く可能性があるので。」

　とにかく無敗のミドル級王者アデサニヤ、まずは明日６日（日本時間）の前日計量を何kgでパスするかも楽しみだ。アデサニヤの危険な挑戦は果たして成功するのか。

◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送スケジュール◆◆◆
『生中継！UFC‐究極格闘技‐ 怒涛のトリプルタイトル戦！アデサニヤ、ライトヘビー級王座奪還なるか』

3/7（日）午後0:00［ＷＯＷＯＷライブ］※生中継
（ＷＯＷＯＷオンデマンドで同時配信）

3/12（金）深夜0:00［ＷＯＷＯＷライブ］※リピート
（ＷＯＷＯＷオンデマンドで同時配信）

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