2025/12/21（日）UP
（最終更新：2025/12/21 11:58）

『第63回WBC総会』と『第1回WBCムエタイ総会』が初めて同時開催

　12月1日（月）～4日（木）タイ・バンコクのクイーンズパークにあるマリオット・マーキス・ホテルで行われた『第63回WBC総会』と同時開催の『第1回WBCムエタイ総会』が開催され、世界各国から約1,300人が参加した。

　開会式で、WBCのマウリシオ・スライマン会長は、参加者たちが夢の実現に向けて懸命に努力したことを称賛し、4日間に渡る大会が開幕。タイ国政府観光庁長官タパニー・キアットパイブール氏は、自国を「ムエタイの祖国」と位置づけ、誠実さと共通の夢を築くことに尽力していると述べた。

　続いてムエタイのスターであり、WBCダイアモンドベルト保持者のリアム・ハリソンと現スーパーフェザー級王者シャノン・ガーディナーによるあいさつが行われ、リアムは「このような場所で、このような形でムエタイとボクシングが同じところに立てることの意味の深さを痛感すると共に、非常に嬉しく思います」と語った。

リアム・ハリソン（右）とシャノン・ガーディナー（左）

　その後、現WBAスーパー＆WBC＆IBF世界ヘビー級統一王者で、伝説のボクシングチャンピオン、オレクサンドル・ウシクと現WBA＆IBF＆WBO女子世界スーパーライト級統一王者で、元WBA＆WBC＆IBF＆WBO女子世界ライト級統一王者のケイティ・テイラーがステージに招かれ、オレクサンドルは「私のカラーはグリーンです。マウリシオ会長に感謝します！」と語り、WBC総会に初めて参加したケイティは、「これは最も名誉あるベルトです。私たちに舞台を与えてくださり、本当にありがとうございます」と語った。

　また、WBCムエタイの父と呼ばれるコヴィッド・ブクチャプミ将軍への生涯功労賞が授与された。同授与式には株式会社東京ドームの北原義一代表取締役会長も参加した。

オレクサンドル・ウシク

　コヴィッド将軍とドン・ホセ・スライマン名誉会長は、2001年にタイ国王に厳粛な誓約を交わし、ムエタイの発展のためにWBCムエタイを設立。現在WBCムエタイを率いる息子のタナポン大佐は、父親と共に賞を受け取り、「この賞をいただき、大変光栄に思います。私たちの二つのファミリーの間には、強い絆があります」と述べた。

　そして、日本から出席したWBCムエタイ理事でWBCアンバサダーの山根千抄氏は、日本人選手の世話役としての貢献が評価され、WBCボクシング：アンバサダーアワードを受賞、さらに日本におけるWBCムエタイの立て直し及び6名の世界王者を輩出したことでWBCムエタイ：ウーマンオブザイヤーも受賞。史上初、ボクシングとムエタイの双方で表彰されたことになる。

WBCムエタイ理事・WBCアンバサダーの山根千抄氏

　山根氏は「このようにムエタイとボクシングの双方で受賞出来たことは大変光栄ですし、WBCでのみ成し得ることです。WBCのマウリシオ・スライマン会長、WBCムエタイのタナポン・ブクチャプミ会長、そして支えてくださっている皆さまに心から感謝致します。皆様のご協力がなくては、全く叶わなかった受賞です。これからも、少しでも選手の皆様のお役に立てるように精進します」と受賞の喜びを語った。

　また、NJKFのアマチュア大会『EXPLOSION』の米田貴志代表がWBCムエタイアマチュア部門の日本代表に就任したことも発表された。『EXPLOSION』では、2024年、2025年にWBCムエタイが開催した世界大会への査定試合とし、トーナメント優勝者が参加資格を得る形で参戦者を選出し、2024年のバンコク大会へは10人、2025年のイタリア大会へは6人が参加した実績がある。