2021/05/27（木）UP
（最終更新：2024/08/02 15:10）

公開練習に挑んだRIZINバンタム級四天王の石渡、元UFC井上直樹を迎え撃つ

　6月13日（日）東京ドームで開催される『RIZIN.28』で井上直樹（23＝セラ・ロンゴ・ファイトチーム）と対戦する石渡伸太郎（36＝CAVE）が27日、公開練習を行った。

　石渡は2019年の大晦日に扇久保博正との激闘を繰り広げて以来、1年半ぶりのRIZIN参戦となる。
　一方、対戦相手の井上直樹（23）はUFC1勝1敗。RIZINでは3戦無敗で2連続一本勝利中。前戦ではバンタム級四天王の元谷友貴を1Rリアネイキッドチョークでフィニッシュしている。
　ベテランの石渡が井上の勢いを止められるか、トーナメント1回戦のなかでも特に注目を集めているカードだ。

普段とは違う右構えから近距離で、ワンツーを打ち込む石渡

　公開練習では同門で元ムエタイ王者の雅駿介が構えるミットに一発一発感触を確かめるようにパンチを打ち込んだ石渡。脱力したワンツー、そしてフック、ボディブローを出した。
　パンチの基本的なミット打ちとも言えたが、普段はサウスポーだが、右構えでのミット打ち。本人いわく「公開しない公開練習」とのこと。しかし石渡のフィニッシュの多くがKOなだけに、このパンチに何かしら秘密があるかもしれない。近距離でのミット打ちだった。当然普段とは逆の構えでの練習もパンチ力アップには必要となる。
　対する井上は空手出身だがKO勝ちは無く15勝のうち10のサブミッション勝利。石渡の秘策は何か。

　練習後の会見では、怪我もあり試合間隔が空いたが「コンディションは良くなり出来そうだと思ったから」と参戦の理由を語り、減量についても「だいぶ減量をした。いつもより1週間早いペースで。大会が延期されたのもあり、いいペースで減量できている。（大会延期を）プラスに変えることができた」という。
　対する井上については、ファンの間では“裏の優勝候補”との呼び声もある。トーナメント抽選会の時に一回戦の相手として“RIZINバンタム級四天王”と言われる自身を選んだ。これについて「なめられている」と静かに怒りをにじませ、これまで積み上げてきた経験から「（井上と向き合っても）戸惑うことはない」とベテランらしい意地と自信を見せた。

佐々木憂流迦から一本勝ちを奪った石渡

　それでも「井上選手はまだ知名度は高くないが、実力的にはトーナメントに出ている選手の中で朝倉海選手とトップを争う選手。だから一番おいしくない相手」と警戒感を示しつつ、「もちろん優勝するために出ているが、二回戦のことを考えていたら負ける。ここでどうなってもいいから勝つ。そのくらいの覚悟です」と、玉砕覚悟とも思える決意の言葉。RIZINバンタム級四天王は若き元UFC戦士を討ち取ることができるか。

【選手データ】2021年5月24日現在
・石渡伸太郎（36=CAVE）
身長：169cm/構え：左/戦績：38戦26勝（9KO/2一本）8敗4分/主なタイトル：第2代バンタム級キング・オブ・パンクラシスト
備考：トーナメント1回戦で初対戦の井上直樹との対戦決定にはYouTube動画で「一番やりたくないし、1回戦の相手としては一番考えていなかった」とのコメントも。

・井上直樹(23=セラ・ロンゴ・ファイトチーム)
身長：173cm/構え：右/戦績：17戦15勝（0KO/10一本）2敗/主なタイトル：DEEPフューチャーキングトーナメントフライ級優勝（2015年）
備考：17年4月に日本人最年少となる19歳でUFCと契約し1勝1敗。姉はInvictaやUFCに参戦する魅津希。

▶︎次ページ（動画）は普段とは逆の右構えでの近距離、脱力のパンチ公開練習を行なった石渡の映像