2021/08/17（火）UP
（最終更新：2022/11/22 17:53）

強敵相手に「ワクワク」の平田

　9月3日（金）にシンガポール・インドアスタジアムにて開催される『ONE: EMPOWER』の女子アトム級ワールド・グランプリ（以下、WGP）に参戦する平田樹（21=フリー）が公開練習を行った。
　平田は1回戦で米国強豪アリース・アンダーソン（26=米国）と対戦する。

　平田は柔道をベースに持ち、18年9月の「ABEMA」の人気企画『格闘代理戦争3rdシーズン』で優勝しONEと契約。以降、4戦全勝（2KO・2一本）と無敗の快進撃で、最年少ながら今回のWGPの出場権を手にした。

　相手のアンダーソンはモデルの様な美貌と荒々しいアグレッシブなファイトスタイルで人気の選手。北米女子MMA団体『INVICTA FC』で2連勝中、MMA戦績5勝1敗の成績を誇る。

　このトーナメントは世界各国から招聘された女子8人の強豪が争う。平田以外の注目として、元RIZINスーパーアトム級王者のハム・ソヒ（33=韓国）は、ONEアトム級ランキング1位のデニス・ザンボアンガ（24=フィリピン）と対戦する。また元ONEムエタイ＆キック二冠王のスタンプ・フェアテックス（23=タイ）も参戦する。

腕十字を極める平田

　平田は公開練習で、現在DEEPで活躍する兄・平田直樹とグラップリングスパーを行った。なめらかな動きで、主に両足タックルから腕十字、肩固め、バックパウンドからのチョークなど様々なフィニッシュ技を披露した。

　現在の体調は「バッチリ」という平田。「はじめてのトーナメントで、みんな強い選手ばかり。ワクワクが一番大きい。気合もいつもより違う」と試合が待ち遠しい様子だ。
　このトーナメントは当初5月28日に開催が予定されるも、新型コロナウイルス感染症の拡大により延期になっている。平田自身も試合は今年2月の『Road to ONE』以来。ONE本戦の試合は昨年の2月以来で1年半以上ぶりだ。

　相手のアンダーソンの印象を平田は「長いリーチをしっかり生かし、寝技に繋げる打撃を必ずしてくる。パンチはそんなに当ててこないが、一発がある」と伝統派空手をベースにする相手の打撃を評価。
　対策として「そこを耐えぬいて組み付いていけばいいかな」と、自分のフィールドであるグラウンドに持ち込むつもりだ。

　現在はKRAZY BEEを主練習場に「グラップリングが好きなので、グラップリング重視の練習」を行っている。山本美憂とも練習を行い、レスリングや基礎トレーニングを大事に「壁レスも一日のうち必ずやるようになってる」とのこと。
　ABEMAの動画では「美憂さん女子のパワーじゃないので。自分が本気でやらないと、地面埋められるんじゃないかってくらいにやられるんで」と、充実した練習が出来ているようだ。

　また、柔術のクラスにも多く出て「気になった技を自分で研究するようになって変わった」と自主的にトレーニングを作り上げている。

”8頭身キックボクサー”AKARI（左）の前蹴りをさばく平田(c)ABEMA

　課題と自覚する打撃は、元キック王者・神村エリカの下に通い始めた。神村の”弟子”である、”8等身JKキックボクサー”として人気・実力急上昇中のAKARIともスパーリングをこなす。アンダーソン対策に、手足の長いAKARIと練習し「前蹴りで詰められないように」と具体的な目的を持ってメニューを組んでいる。

　女子選手たちと多く練習することは「新鮮。女子目線でしかわからないこともあるし、相談しやすい。親近感が湧くし、言われることにも説得力がある」と同性ならではの視点や感覚を得られるという。
　また「（女子選手は）関節が柔らかかったり、パワーだけでは来ない」と練習も緻密さが出てきたと語る。

　試合の展望として「（アンダーソンは組みも仕掛けるが）組みの選手はあまり相手でいなかったので、その勝負でもいいな。グラウンドでは色んなことが出来るようになったので。相手に取らせないようにしつつ、パウンドもあり、ヒザもいいな」と、前回のONE本戦から1年半の間に培った様々な技術を使いたいとする。

　この試合を勝ち上がった準決勝戦は「次はスタンプ選手が上がってくる。スタンプとやるんだったら、必ず寝技で仕留めると決めている」と念願のスタンプ戦を見据える。

　今回の試合の決着は「KOか一本で勝ちたい。決勝まで行くことがゴールなので、そこを見据えるとスカ勝ちかな」とフィニッシュを狙いたいと意気込んだ。

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