【ムエタイ】大崎一貴、ルンピニー王者に大健闘も王座奪取ならず
「スック・ギャットペット」
2018年6月15日(金・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼ルンピニースタジアム認定フライ級タイトルマッチ 3分5R
○キアオ・パランチャイジム(タイ/王者)
判定3-0 ※49-47、49-46、50-47
●オーサキ・オオイシジム(21=大崎一貴/OISHI GYM/挑戦者)
※キアオが王座防衛に成功
日本人キックボクサーの大崎がムエタイ最高峰のルンピニースタジアム認定タイトルに挑戦した。大崎が勝てば日本人初のルンピニー王座奪取の快挙となる。また、日本人選手として現地ルンピニースタジアムで王座に挑戦するのは、昨年12月、ミドル級王座に挑戦したT-98(たくや)以来2人目。
大崎は、これまで国内外でタイ人を相手に8連勝(8KO)中で、ルンピニースタジアムでも4試合連続KOの快進撃を続けて今回のチャンスを得た。パワフルなパンチとローキックのコンビネーションを得意とし、2017年3月に初代WMC日本フライ級王座、2018年4月にLPNJ(ルンピニー・ボクシングスタジアム・オブ・ジャパン=ルンピニースタジアム日本支部)フライ級王座をKO勝ちで獲得している。
今回、大崎が挑む王者キアオは、昨年ルンピニースタジアムが最優秀ジムに選出したパランチャイジムに所属する王者で、5月にそれまで14連勝中だったコムペット・シットサラワットスアからルンピニーフライ級王座を奪ったばかり。それ以前にもルンピニーのスーパーフライ級王者、7チャンネルスタジアム、プロムエタイ協会の王座も獲得している。
”神の階級”と呼ばれるほど選手層の厚いムエタイ軽量級で、大崎が快挙を達成するのか。それとも、キアオがムエタイの高い壁となるのか。
1R、大崎は前に出ながら左フックとローキックで流れを掴む。キアオは下がりながらミドルやハイキックを返すが、大崎はさらに距離を詰めると得意の左ボディを連打しバックキックへつなぐ。このバックキックがキアオの腹に鋭く刺さる。キアオは不意に一撃を食らい一瞬ガードが下がる。さらに大崎は2度目のバックキックを当て試合を優位に進める
2R、ゴングと同時に大崎はバックキックを放ち、これがヒット。するとキアオは距離を空けるのは危険と判断したのか、テンカオ(ヒザ蹴り)から近い間合いに持ち込む。首相撲を仕掛けるキアオに、陣営は「大崎の首を組んで振り回せ」と檄を飛ばす。
3R、大崎はパンチを振って前に出るが、キアオはすかさず首相撲。大崎はキアオの細かいヒザでダメージを負う事はなかったが、それでも判定になれば確実に不利な展開。組んだ状態ではキアオが有利な体勢となってゆく。
4R、大崎は度々大きなパンチを振るが、すぐに組まれ細かいヒザを食らう。このラウンドは組まれている時間が長かったため、キアオ有利の声が高まり場内の賭けも終了してしまう。
5Rもキアオは組みに徹し大崎のパンチ攻撃を凌ぐ。大崎としては、もう少し自分の打撃技に繋ぎたかっただろうが、キアオの勝ち逃げ作戦に捕まってしまった。判定は三者ともキアオを勝者とした。
今回は負けた大崎だが、パンチやバックキックでキアオのガードを下げさせるなどして大健闘。ルンピニー王者を大いに苦しめた。
また、キアオが所属するパランチャイジム陣営は「防衛戦の相手が日本人となった事で、勝って当たり前と思われているから、ジム中みんな凄いプレッシャーだった」と話し、何より無事に王座防衛を果たしたキアオ自身が、試合後ずっと放心状態の様な表情を見せていた事からも壮絶な戦いだった事がわかる。
そして試合後、控室にいたキアオは「大崎に挨拶がしたい」と言い、大崎の控室を訪れ両者は健闘を称え合った。
記事・写真提供/早田寛 Hiroshi Soda
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