【ボクシング】木村翔が中国の国民的英雄と世界戦=前日計量
7月28日(金)、中国の上海オリエンタルスポーツセンターで開かれるWBO世界フライ級タイトルマッチに向け、上海市内のホテルで27日(木)、前日計量が行われた。
初防衛戦となる王者ゾウ・シミン(36=中国)は111.9ポンド、挑戦者の同級7位・木村翔(28=青木)は111.6ポンドとリミット(112ポンド)アンダーでパス。
中国でボクシングといえば、以前は不毛。もとより政府が本格始動させてからの歴史自体、40年弱と浅く、プロボクシング興行は、今も地方都市で行うのが恒例だ。そんな中で、ゾウだけは、巨大貿易都市の上海で2度目のメインイベンターを務めるなど、別次元のパイオニアであり続けている。
ゾウは2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪でライトフライ級を連覇。元国営放送アナウンサーのラン・インインさんとの間に授かった長男を主役に、テレビのホームコメディ番組に出演すると、その人気は爆発した。昨年1月にも、米国の大手プロモート会社『トップランク』の資本で上海興行を大成功させており、今回は同社から離れ、インイン夫人をWBO公認プロモーターとして、独立した興行に臨む。
対する木村はデビュー戦で痛烈にKOされた以後は、14勝(7KO)2分で上昇してきた。日本で認められたばかりのWBOアジア太平洋王座を獲得したことも、この挑戦への重要な足がかりとなっている。生まれ故郷の埼玉県熊谷市が、日本一の暑さを競うことを引き合いに出しながら、木村は現地に多く詰めかけた報道陣に「地元よりも合宿した誰よりも、ここ(上海)が一番暑い。ただ、調整は今までで一番よくできたので、100%の自信を持って試合に臨みたい」と臆さず語った。
国民的英雄に挑む庶民的な埼玉県民。興行は現地時間17時から始まり、5試合の前座試合の途中、台湾出身の人気歌手のコンサートも組まれている。試合のみならず、大きな変化と成長を続ける中国格闘技界の一面をのぞくためにも興味深い一戦だ。(写真・文:善理俊哉)
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