青木真也が鳴らす日本格闘技界への警鐘と独自の生き方論=1月度ベストファイターインタビュー
■過去じゃなくて未来にもっとすごい興奮や幸せがある
そんな状況の中、青木は一ファイターとして何を目指し、どこに向かおうとしているのか? そこには「ルールや制約制限を取っ払って自分を追求していきたい」という、独創的な技術とキャリアを積んできた青木らしいこだわりがある。
「選手として…というか人間として新しいことを覚えるのは必然ですよね。世の中が進化している以上、新しいことを覚えなければいけないというか。それと同時にどこまで追求していけるか。僕は世の中にあるルールや制約制限を取り払って追及していきたいんですよ。
柔術で言えば『テイクダウンしてパスガードしてポジションキープして…』という価値観からは今成正和みたいな選手は出てこないだろうし、投げまくって相手を参ったさせようとする選手は絶対に出てこないわけですよ。帯やルールが制度が整備されることは否定しないけど、昔のように腕自慢が集まってやる競技という部分を否定してしまったら、独創的な選手は生まれてこない。だから僕はむちゃくちゃな発想をする選手がいたら『そうじゃないだろ!』ではなくて『それもありだな』という人間でいたいですよね。
(国際政治ジャーナリストの)落合信彦の息子の落合洋一(メディアアーティスト・実業家)が『昔は部下に“好きなことをしろ。責任は俺が持つ”という上司がいい上司だったけど、本当にいいのは“好きなことをしろ。俺は責任を持たない”という上司だ』と言っていて。好きにやる人間が責任まで持つことで市場原理が生まれて、強い人間が生まれてくるだろうという考えなんです。僕はこの考え方は真理だと思っているので、僕自身そういう感覚を持ち続けたいですね」
技術論から始まった青木の答えは、最終的に人間としての生き方やライフスタイルにまで及んだ。
「とりあえず僕は常に“今”が一番楽しいし、“今”が一番充実していると“勝手に”思っています。で、強くなっているかどうかは分かりません。あくまで強さは相対的なものだから。これは生き方論かもしれないけど、今が一番だと思っていなかったら、究極生きている意味がなくないですか? たまに『あの頃の自分を取り戻す』や『あの頃の熱を取り戻す』みたいなことを言う方々いますが、僕はそういう思考になったら生きていけない(苦笑)。だって僕らは人間として老いていくことが分かっているわけだから。過去じゃなくて未来にもっとすごい興奮や幸せがあると思っていなかったらやってられないですよね」
どんどん時代は変化している。過去にとらわれるのではなく、未来をより良いものにするために、今を大切にし充実させる。ファイターとしての強さはもちろん、誰も真似できないキャリアを積み、ただ試合に勝つ・負けるに留まらないところで格闘技を追求し続けている青木真也。これからも我が道を往く彼の言葉に耳を傾けていきたい。
●受賞者・青木が心境を語る
今回のベストファイター受賞について青木は「今まで一回も(MVPを)もらえなかった僕がなんでこのタイミングなんだろう?って思いました(笑)」と、意外だったと語った。
なお今回受賞した青木には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからアルティメットリカバリーなどのサプリメント3種類が贈られる。
青木にサプリメントの利用方法について聞くと「DNSプロテインのエスプレッソ味を飲んでます」と答えた。
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