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  トリプルタイトルマッチ、前田尚紀とTURBOの初対決、藤原あらし復帰戦と今回も見逃せない試合がラインアップされた6・6M-1。注目試合の数々を もっと楽しむために、90年代の名キックボクサーであり、現在はM-1と協力関係にあるムエタイ大会REBELSの代表でもある山口元気氏に見どころを 語ってもらった。(2010年6月3日UP)

PROFILE
山口元気
(やまぐち・げんき)
高校1年でシーザージムに入門
高校卒業後は山木ジムに入門
日本キック史に残る左ミドルの使い手で、倒すムエタイスタイルで一時代を築いた
1995年6月2日、MA日本キックボクシング連盟フライ級王座を獲得
1998年12月26日、同フェザー級王座を獲得して二階級制覇に成功
ムエタイ大会REBELS代表
打撃アマチュア大会KAMINARIMON責任者
有限会社クロスポイント代表

■増田VSカノンスック、前田VS TURBOで5Rの面白さを満喫!

 僕が最も注目しているのはトリプルメインイベント第3試合、増田博正VSカノンスック・ ウィラサクレックのWPMF世界ライト級タイトルマッチです。カノンスックの前半の攻撃力に西山誠人選手をはじめ多くの日本人選手がやられています。そこ でキャリアのある増田選手が徐々にダメージを与えていき、後半に逆転するのか? そこが見たいですね。かなり面白いと思います。

 カノンスックが勝つなら前半、増田選手が勝つとしたら後半でしょう。カノンスックは右フッ クとストレートが上手いし、ミドルキックも強い。ハイキックも蹴ってくるので油断なりません。でも、僕の予想では増田選手がローキックでダメージを与えて いき、5Rまでに勝つと思っています。

 第9試合の前田尚紀選手とTURBO選手の初対決も、けっこうツウな闘いです。前田選手の 試合にハズレはないですから、絶対にいい試合になるでしょう。TURBO選手はテクニックがあるので、これも増田VSカノンスック戦と同じように前田選手 が追いかける展開になると思いますね。5Rまでに追いつくことが出来るか? 後半のラウンドで逆転するのは前田選手の真骨頂なので、最近負けが続いている 前田選手にはここら辺で“前田劇場”の爆発を期待したいですね。

 前半はTURBO選手がスピードとテクニックでリードすると思うんですよね。そこで前田選 手が3分5Rある中で、どこで捕まえられるのか、それともTURBO選手がそのまま逃げ切れるのか? デッドヒートが予想されます。増田VSカノンスック とこの試合はそういう競り合いになるでしょう。それが3Rにはない5Rの面白さです。

■小野寺力の愛弟子・田中秀弥がムエタイルールに参戦

 次に第5試合のWPMF JAPANランキング戦、渡部太基VS田中秀弥も面白いです。田中選手はこれまでRISEを主戦場にしてきましたが、ヒジありルールが合っていると思いますね。なぜなら、テンカオは相当いいものを持っているからです。

 パンチとローキックの藤原ジムスタイルで攻めてくる渡部選手に対し、田中選手が正統派ボク シング+ヒザ、ヒジという対決になると予想します。田中選手は久しぶりのヒジありなのでそこが心配ですが、RIKIXの小野寺力会長が自信満々に「大丈夫 です。ヒジありでお願いします」と言っていましたから、期待できますね。

 田中選手がムエタイルールに主戦場を置いてきたら、かなり面白くなります。WPMF JAPANウェルター級が活性化されますね。この試合で勝った方が、現在ランキング1位の板倉直人(スクランブル渋谷)選手と初代WPMF JAPANウェルター級王座を争う可能性は高いんじゃないですか。板倉VS田中、板倉VS渡部どちらになっても面白い試合になると思います。

■階級を下げて藤原あらしがさらに強くなる!?

 個人的にかなり注目しているのは第8試合の藤原あらしVSサイヤノーイ・ルークフアタノ ン。あらし選手がバンゲリングベイ・スピリットに移籍したばかりで、どれくらい動けるのか見てみたいです。いろんな環境の変化の影響はあるだろうから、7 月19日に行われる『REBELS 3』でのTOMONORI(OGUNI)戦へ向けてどれくらい仕上げてきているか、REBELS代表の僕としては興味深いです。

 あらし選手はこれまでのスーパーバンタム級から下げて今回は53kg契約でやります。これ はなぜかと言うと、TOMONORI選手と52.5kgでやるにあたってのこと。あらし選手は今までバンタム級以下に落としたことがないので、今回まず 53kgでやりたい、と。そして1カ月後に52.5kgでやって徐々に慣らしていこうということなんです。僕は体格的に、彼は52.5kgが合っていると 思います。多分、凄く強い藤原あらしが見られると思っています。

 選手で言うと、第6試合でコンパヤック・ウィラサクレックと対戦する森井洋介選手は凄くい い選手ですね。これもコンパヤックが得意のハイキックなどで前半で倒すか、それとも森井選手が後半追いついてダメージを与えていくかのレースになっていく と思います。前半の1~2Rくらいまではコンパヤックのテクニックで遊ばれてしまうかもしれない。しかし、藤原ジムで鍛えられている森井選手のスタミナ・ 体力が後半になればコンパヤックを上回るはず。これも面白い試合になると思います。

 こうしてみると面白い、ツウ好みの試合が並んでいます。増田VSカノンスック、前田VS TURBO、あらしVSサイヤノーイ、森井VSコンパヤック、渡部VS田中、この4試合は鉄板で面白いと思いますよ。増田選手以外は今後、WPMF JAPANのタイトル戦線に絡んでくると思うので楽しみです。

 第1部では第7試合の久世秀樹VS梅原ユウジ戦がアツいですね。お互いに戦績がいいし、今後期待できる選手同士です。第6試合で行われるM-1ジュニア、伊藤紗弥(尚武会)選手には注目です。彼女は前の手をしっかりと使って、追い詰めていくというムエタイが出来ます。

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