2017年1月度・格闘技MVPスペシャルインタビュー 志朗(新日本キック)
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2017年1月のMVPは、1月8日(日)東京・後楽園ホールにて開催された新日本キックボクシング協会『WINNERS2017 1st』でルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級6位バカイペットにKO勝ちした志朗に決定!(2017年2月12日UP)
PROFILE
志朗(しろう) |
選考理由
1、「ルンピニー現役ランカーに勝利」
2、「劣勢からの試合終了間際に劇的なKO勝ち」
3、「23歳とまだ若く今後の活躍が大いに期待される」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞された志朗選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
残り10秒の時に“出し切ろう”と思った
■現役ランカーを自ら対戦相手に指名
志朗は2つの引き分けを挟んで7連勝中、タイでの試合を除けば国内14連勝という日本軽量級のトップファイター。これまでタイのメジャームエタイスタジアムであるランシットスタジアム認定インターナショナル・バンタム級王座、Z1ムエタイワールド・トーナメント(マレーシア主催)バンタム級王座、ISKA世界ムエタイ・バンタム級王座などを奪取し、満を持してルンピニースタジアム認定ランカーに挑んだ。
1年の半分をタイで過ごし、現地でも練習と試合を積み重ねている志朗。ムエタイの世界最高峰である2大殿堂ルンピニーとラジャダムナン両スタジアムのリングでも試合をしている。その志朗が「戦いたい」と対戦を望んだのが、今回対戦したルンピニースタジアム認定バンタム級6位バカイペット・ニッテイサムイ(タイ)だ。
バカイペットはタイの7ch、BBTVのムエタイ中継で王者に君臨し(いわゆるテレビマッチというもので各局が王座を認定)、ムエタイのバンタム級戦線で四天王の一人として知られる強豪。サウスポーから繰り出す、破壊力のあるミドルキックで数々の勝利を飾り、2016年8月にはルンピニーのバンタム級王者を5RでKOに仕留めている。
「(プロモーターに)誰と一番やりたいかと聞かれて、真っ先に思い浮かんだのがバカイペットでした。バカイペットは一度来日しているので(2016年1月、日本バンタム級王者・瀧澤博人を左ミドルで圧倒し、5RにTKO勝ち)自分の周りの人たちや後輩がバカイペットとの試合を見たいと言っていましたし。タイでも2~3回試合を見ていて、一発一発の攻撃が強かった。その時は試合をやるとは思わなかったので普通に強いなって思って見ていました」
試合は「テレビ埼玉杯WINNERS TAKE ALL MATCH」と銘打たれ、勝者がファイトマネー150万を総取りする勝者総取りマッチとして行われた。勝者総取りマッチはタイではよく行われる形式だ。
1・2Rともにバカイペットが強烈な左ミドルを繰り出し、志朗は突き放される。それでも徐々にパンチをヒットさせ始め、バカイペットの顔が仰け反る場面も。
「蹴りのスピードは思っていたよりも速くはなかったんですが、スネがもの凄く硬かったのが印象に残っています。1、2Rは左ミドルのスピードについていけたんですが、3Rあたりからミドルをカットしていた右のスネが痛くなってしまって。もうカットは出来ないと思ったので、スネでカットせず腕に喰らってカウンターを返すという攻撃に変えました」
ムエタイでは相手のロー、ミドルを自分の足を上げてスネで受けるのが基本の防御。通常は蹴った方がカットされると痛みを感じるものだが、バカイペット戦ではカットした方の志朗がダメージを受けてしまったという。腕で蹴りを受け止めた方がダメージがありそうだが、「腕に受けたらなぜかあまり痛くなかったんです。自分でも意外でした」と志朗。
ムエタイの試合において重要なラウンドと言われている3・4Rになると、バカイペットは積極的に首相撲を仕掛けてきた。志朗もパンチ、ヒジを当ててペースを握らせないが、4Rにはガッチリとロックされてヒザを当てられる。
「唸り声をあげながら組み付いてきたので怖かったです。首相撲自体は今回けっこう練習をやっていたので焦りはなかったんですが、このままいったらドローで延長になると思いながらやっていました」
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