【4月・ベストファイター】SB世界タイトル初防衛の海人、元ONE世界王者ペットモラコット戦の勝因と今後の展望語る

■短期間での再戦で「対策を1つに絞れた」

　まずは、一度拳を交えた経験が海人にとって、ペットモラコット攻略の大きな手がかりとなった。

「再戦のスパンが短いので、逆に相手をイメージしやすかったです。自分もそうだけど、相手もそんなに変わらないので、あの試合を通してペットモラコット選手の出方も完璧にわかったので、その対策を1つに絞れました」

ローを蹴り込む海人

　そこで、海人は、ペットモラコットは前戦での戦い通り、1R、2Rは様子見、そして3R、4R、5Rを取りに来ると予想。その上で、海人は前半のラウンドでローで削りダメージを与えながら、自分のペースに持っていくイメージだった。

　その一方で、ペットモラコットが前回とは違う戦い方で、最初からヒジを乱打し流血TKOを狙う恐れもあったが、海人の戦前イメージが的中した。

「序盤から徹底してローを蹴り続けていたので、それが嫌になったのは分かりました。早い段階で首相撲に来たのも、その距離が嫌だったのだと思います」とイメージ通りで良いスタートを切った海人だったが、「試合中は本当に必死でした。いつもだと、次はこうしよう、あれをやってみようなど余裕があるのですが。ただ、絶対に勝ちたい、倒したいという思いで戦いました」と無我夢中で戦う結果、勝利を掴み取ったという。

■タイ修行経験も生かし、百戦練磨のペットモラコットを攻略！

パンチを打ち合う両者

　では、海人自身のパフォーマンスはどうだったのだろうか。海人はこの期間「朝から晩まで徹底的に考えた練習を重ね、練習をしていない時間でもペットモラコット選手のことを考えて過ごしました」といい、さらには、タイに渡航し、ONEフェザー級キック王者スーパーボンのジムで修行。ここで授けられた作戦を試合で生かすべく稽古を積むなど、この期間に出来る最大限のことをやった。

　その成果があってか、海人はペットモラコットの首相撲を前戦と比べると、うまく対処しており、相手の得意のミドルキックやヒジもそれほど出させていない。逆に3Rには、海人のヒジでペットモラコットが頭部をカットする場面が見られた。

　そして激闘の5Rは終了、運命の判定コール。勝利者と名前を告げられた海人は「あの瞬間は正直ホッとしました。本当に全てを賭けて戦ったので。もし負けていたら全てを失うし、格闘技自体も辞めてしまう位の気持ちだったので。本当に嬉しかったです」と、偽りない正直な気持ちを語った。