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【ボクシング】「五輪目指す」内山、山中も応援、プロからアマ転向の勝者第1号が誕生=元日本王者・佐藤

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2019/07/01(月)UP

内山高志、松田直樹、山中慎介の元王者らが応援に駆けつけ、今後も精進を誓った佐藤(右から二番目)

 ボクシング全日本選手権・東京都予選が東京・小平市にある朝鮮大学校内で6月30日行われた。
ミドル級決勝に登場したのは、プロボクシング元日本・OPBF東洋太平洋ミドル級王者で、アマチュアボクシングでは、かつて“村田諒太の天敵”の 印象を色濃く持たせていた伝説の全日本選手権・13冠王の佐藤幸治(日本大学OB)だった。

 佐藤は38歳で電撃復帰。2011年12月に淵上誠(八王子中屋)とのプロボクシング日本・OPBFミドル級王座統一戦で9回TKO負けとなって以来6年半ぶりの試合だ。決勝戦では昨年のインターハイと国体少年の部を制した強打者、須永大護(19=東洋大学)を相手に2対1のポイント勝ちを収め、関東ブロック予選に駒を進めた。復帰の動機として「プロで日本王座や東洋太平洋王座を獲得しても忘れられなかった五輪を目指すため」と語るなど、佐藤は今も闘志に衰えがない。

回を増すごとに距離が縮まり打撃戦となった決勝の須永と佐藤(右)

 試合は得意のノーモーション・ジャブで自身の距離を保って、優勢のまま終わりかけた初回、須永の力強い右が、佐藤の右とクロスする形でアゴを一閃。直後に鳴ったゴングを聞いて、コーナーに戻る佐藤の足が大きくフラついた。劣勢は2ラウンド目も続いたが、応援にかけつけた内山高志氏(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者)や山中慎介氏(元WBC世界バンタム級王者)ら、共に世界の頂点を目指した戦友たちの「重心を落として前に出ろ!」の声にも刺激され、最終の第3ラウンドでは、逆に須永のスタミナを削ぎ落とすまで押しきった。

 採点は29対28で2者が佐藤、1者が須永の2-1と割れたが、アマに転向したプロ選手で最初の勝者となった。先月からプロ選手がアマボクシングへの転向が解禁され、佐藤と同じタイミングでキックボクシングの元WBKF世界女子フライ級王者・松田玲奈(葛飾クラブ)も選手登録を正式承認されており、今後の参戦が注目される。

 佐藤は2004年アテネ五輪前の全日本選手権・決勝で、当時、南京都高校の3年生だった村田に初回RSC勝ち。格の違いを見せつけた試合について佐藤は「こっちが社会人の年齢差を考えれば当たり前の結果。今の村田は“先生”を付けてもいいくらいもう雲の上にいるので、次の試合もぜひ勝ってほしいと祈るばかり」と称えたものの、「今回に向けてスパーリングをお願いしたいと言ったら田中繊大トレーナー(帝拳ジム)に失笑された」というエピソードも明かした。

 15年ぶりにセコンドを務めた日本大学の梅下新介監督は「この超逸材をオリンピックに行かせられなかったことを負い目に感じていましたが、今日の1勝だけでも少しだけ胸のつかえが取れました」と目に涙を浮かべながらコメントした。
 全日本選手権の本戦は11月21日から24日にかけて鹿児島県の阿久根総合運動公園総合体育館で開かれる。

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