2024/11/20（水）UP
（最終更新：2024/11/20 17:04）

矢地（左）は桜庭大世（右）のMMAデビュー戦の相手を務めることとなった

　12月31日（火）さいたまスーパーアリーナにて開催の『RIZIN DECADE』の追加対戦カード発表記者会見が、20日、都内会場にて行われた。
　会見では、71kg契約MMAルールとして、矢地祐介（フリー）が桜庭大世（サクラバファミリア）のMMAデビュー戦の相手をすることが決まった。矢地は24年2月に白川陸斗からリアネイキッドチョークで一本勝ちをするなどベテラン健在を示したばかりだが、「怒っています」と桜庭ジュニアと戦うことに対して怒りをあらわにした。

【フォト】矢地祐介、白川陸斗に極めたリアネイキッドチョーク！

　矢地はRIZINライト級で活躍する日本人トップ選手。21年大晦日のRIZINライト級タイトルマッチでホベルト・サトシ・ソウザに一本負け、続く4月にもグスタボにKO負けを喫したが、22年10月より3連勝、うち2戦は一本勝ち。24年5月はベラトールでマンスール・ベルナウイに一本負けも9月は宇佐美正パトリックから判定勝ちで再起した。

桜庭大世とのマッチアップに不満を口にする矢地

　総合格闘家・桜庭和志の長男である桜庭大世は昨年9月にグラップリング格闘技の『QUINTET（クインテット）』でプロデビューし、内柴正人（フリー）から膝十字固めで一本勝ち。今年1月にK-1アマチュアワンマッチで勝利。10月はJMAEXPOのQUINTET 5vs5勝ち抜き戦に出場して、倉本一真と引き分けに終わっている。

　会見に登壇した矢地は、開口一番「10年目の節目の大晦日、僕を呼んでくれて嬉しく思います。ただ、榊原さんが横にいて言いづらいんですけど、ちょっと待てと。相手がデビュー戦？　すごく複雑な気持ちになりました。せっかく前回、若手筆頭のパトリック選手を倒して、もう一回上へというところで、今回のオファー。ガッカリしたし悔しい気持ちでした」と怒りと悔しい思いが交錯したという。

桜庭は爽やかさ全開で、終始ニコニコと笑顔だった

　桜庭は、終始ニコニコと笑顔でこの言葉を聞き「自分が日本で一番大きいRIZIN、大晦日という大きな舞台に立てるのは、親の名前でしか立てないと思っています。しかもペーペーなんで頑張りたいと思います。人の感情を揺さぶる試合をしたいです」と優等生の回答。相手の印象は「ベテランでマッチョなところ」と明かすと矢地は、下を向いて苦笑する場面もあった。

　そして矢地は「自分はPRIDEが大好きだったので、そのど真ん中の桜庭和志さんの息子さんと試合できるのは嬉しいけど複雑です。大世君、とてもいい子なんで言いにくいんですけど、どうやら桜庭陣営から“矢地君どうかな”みたいな名指しがあったと僕の耳に入ってきて。なんだそれ？なめてんのかと。15年くらいプロやってきて、第一線でやってきている自負もあります。その俺を名指しするとは、なめてんなと。怒っていることを伝えたい」と正直な胸のうちを語った。

　怒りの言葉を聞いても桜庭は、まったく何も感じないのかニコニコと笑顔を崩さない。自分が優っている点を聞かれると桜庭は「相手が何も知らないところ。僕の作戦は全力を出すだけ」と手の内は最後まで見せなかった。

2人のフェイスオフ

　ただ矢地は、10月にJMAEXPOのQUINTET 5vs5勝ち抜き戦でRIZINチームを率いて、桜庭大世チームと対戦した経緯がある。直接の対戦はなかったが、桜庭のグラップリングについて「手足が長く、足関節が得意そう。それなりにはできそう。レジェンドの息子さんなんでスキルもあるみたいですし、何をしてくるかわからない」と警戒している様子もあった。

　相手に自分を悟られないところや、足関節が得意な点は父親と似ている桜庭ジュニア。矢地は「MMAの厳しさを教えて叩き潰したい」と気合いを入れているが、どちらがペースを握っているのかは微妙だ。桜庭ジュニアがMMAデビューで輝くか、それとも矢地が宣言通りに若い芽を叩き潰すのか、大晦日はこの試合も目が離せなくなりそうだ。

▶次ページは、【フォト】矢地祐介、白川陸斗に極めたリアネイキッドチョーク！