【GLORY】剛腕ドゥンベがTKO勝ち、ウェルター級王座に返り咲く
Glory Sports International
「GLORY 64」
2019年3月9日(土・現地時間)フランス・ストラスブール レーヌ・スポーツ
▼メインイベント GLORY世界ウェルター級タイトルマッチ 3分5R
●ハルート・グレゴリアン(29=アルメニア/王者)
TKO 2R 2分59秒 ※3ノックダウン
○セドリック・ドゥンベ(26=フランス/同級2位、挑戦者)
※ハルートが2度目の防衛に失敗、ドゥンベが新王座に就く。
ハルートは昨年2月のGLORY世界ウェルター級タイトルマッチで、K-1 WORLD MAX 2012世界トーナメント優勝の実績を持つマーセル・グローエンハートを初回TKOに下し、王座奪取に成功。その4カ月後には初防衛にも成功したが、以降は負傷により戦線離脱を余儀なくされていた。今回の試合が約9カ月ぶりの復帰戦にして、2度目の防衛戦となる。
挑戦者のドゥンベもかつてGLORY世界ウェルター級王者のベルトを巻いていた強豪。16年のタイトルマッチで、ニキー・ホルツケンから判定勝ちで王座を奪取し、その翌年に迎えた3度目の防衛戦で、グローエンハートに敗れて王座から陥落している。その後も上位ランカーとして活躍しており、ここ最近は3連勝中と好調だ。
1R、ハルートがジリジリとプレッシャーをかけながら右ローを蹴り、ドゥンベは左右に動き回りながら左ジャブと右ローを返す。ハルートがパンチのコンビネーションで仕掛ければ、ドゥンベはすぐに距離を取って当てさせない。ハルートの圧力をかわしながら、ドゥンベは左右ローを打ち込んでいく。
2R、ローを蹴り合う展開のまま1分が経過しようとしたところで、右ストレートを振るったハルートに対し、ドゥンベがカウンターの左フックと右アッパーをヒットさせる。ハルートは慌てて左フックを返すが、ドゥンベのかぶせるような右フックのカウンターでよろめく。ここから一気にパンチをまとめて仕留めにかかるドゥンベ。
ハールートはふらつきながら右フックを放ったところで、ドゥンベの右フックを再びカウンターでもらい、ついにダウンする。立ち上がったハルートは決死の打ち合いを挑むが、ドゥンベの左右フック&アッパーで2度目のダウン。最後はドゥンベがカウンターの左フックから右オーバーハンドと左フックを叩き込むと、ハルートは力尽きた。
ドゥンベが持ち前の剛腕を発揮して3度のダウンを奪い、TKO勝ちで王座返り咲き。ハルートは2度目の防衛戦で王座陥落となった。
試合後、ドゥンベは「KOを狙った時に限ってKOできなかったりするものなんだ。チームメイトからも5R戦うつもりでいろと言われていた。それでも2Rに入ると、相手に隙があると感じたからいけると思ったよ。次の相手は誰でも構わない。ニキー(・ホルツケン)のウェルター級王座防衛記録(3回)を超えたいと思う」と勝利のコメントを述べた。
▼セミファイナル GLORY世界女子スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○アニッサ・メクセン(30=フランス/王者)
判定4-1 ※47-48、49-46、50-45、50-45、50-45
●ティファニー・ヴァン・スースト(29=アメリカ/同級1位、挑戦者)
※メクセンが初防衛に成功。
両者は2017年のGLORY世界女子スーパーバンタム級タイトルマッチで、今回と逆の立場で対戦。当時、最強挑戦者と目されていたメクセンが、2度目の防衛戦であったスーストを熱戦の末に判定で下し、新女王に輝くこととなった。
その後、メクセンは昨年8月に一度王座を失うも、その3カ月後のダイレクトリターンマッチに勝利して、再びベルトを巻くことに。一方、スーストは昨年7月に王座陥落からの再起戦を勝利で飾り、今大会でリベンジと王座返り咲きを目指す。
1R、鋭いローを飛ばし合う中、スーストが左ストレートで仕掛け、これをかわしたメクセンは右フックから左インローをヒット。今度はメクセンが左ローを空振りさせて半身になったところで、スーストが左ミドル2連打を当てる。パンチの交錯からクリンチの状態になると、両者は相手の体を激しく揺さぶりながらヒザ蹴りも入れ合う。
2R、メクセンはスーストに左ミドルを打たせ、その蹴り足が着地するところを巧く左ローで狙う。スーストも負けじと左ハイからバックハンドブローで強襲するが、メクセンは落ち着いてブロックし、すぐにストレート系のパンチを連打して迫る。このパンチの伸びが良く、スーストはたびたび避けきれずにもらってしまう。
3R、ローの相打ち直後にスーストが間合いを詰めて右ボディ。すぐにメクセンは左アッパーと右ストレートを振り抜く。スーストは再び前に出ようとするが、メクセンのパンチ連打で跳ね返されてしまう。メクセンは激しいパンチの打ち合いの中でも、しっかり左インローまで繋げ、終了間際に左フックのカウンターもヒットさせた。
4R、サウスポーに構えをスイッチしたスーストは、スーパーマンパンチやバックハンドブローからクリンチに持ち込んでヒザ蹴り。さらに左ミドルの3連続相打ちから、ソーストが首相撲に捕らえながらの右ハイを繰り出す。これはメクセンがブロック。手数は五分五分だが、スーストは前蹴りや左ミドルもヒットさせ、盛り返した印象だ。
5R、左右にステップし始めたメクセンに対し、スーストはパンチで仕掛け、右ハイや左ミドルにも繋げていく。メクセンも負けじとパンチを打ち返すが、やや疲れが見え始め、スーストの右フックのカウンターを喰らう場面も。最後は両者が荒々しくヒザ蹴りを入れ合ったこころで試合終了となった。
熱戦の行方は判定に持ち込まれ、ジャッジ4名の支持を受けたホームのメクセンに軍配。スーストはリベンジ&王座奪還を果たすことはできなかった。
初防衛に成功したメクセンは「皆も知っている通り、このレベルの試合は特に難しいものになる。ティファニーは本当にタフな相手だった。今後もこのベルトを守り続けることが私の使命だと思う。ティファニー、本当にありがとう。あなたの幸運を祈っているわ」と敗者を称えた。
▼ヘビー級 3分3R
○ディアンジェロ・マーシャル(キュラソー島/同級6位)
KO 3R 1分43秒
●ダニエル・スクバー(チェコ/同級11位)
▼ライトヘビー級 3分3R
○ドネギ・アビナ(21=スリナム/同級1位)
判定3-2 ※27-30、30-27、29-28、28-29、29-28
●マイケル・ドゥート(29=オランダ/同級4位)
▼ウェルター級 3分3R
○アリム・ナビエフ(アゼルバイジャン/同級2位)
判定4-1 ※27-30、29-28、29-28、29-28、29-28
●マーセル・グローエンハート(オランダ/同級3位)
▼ライトヘビー級 3分3R
○ジネディーヌ・ハウメールレイン(フランス/同級5位)
失格 ※ゴルロフが1R中に反則行為
●アルトゥール・ゴルロフ(ラトビア/同級9位)
▼フェザー級 3分3R
●アブデラ・エズビリ(フランス/同級2位)
判定0-5 ※28-29 26-29 27-29 27-29 27-29
○アンヴァー・ボイナザロフ(ウズベキスタン/同級4位)
▼ウェルター級 3分3R
○マイク・ルメール(アメリカ/同級14位)
判定3-2 ※28-29、28-29、29-28、29-28、29-28
●アリアン・サディコビッチ(ドイツ)
▼ミドル級 3分3R
○ドノヴァン・ウィッセ(スリナム/同級6位)
TKO 2R 2分49秒
●マチェイ・ペニャズ(チェコ)
▼フェザー級 3分3R
○アレクセイ・ウリアノフ(ロシア/同級7位)
判定5-0 ※29-28、29-28、29-28、29-28、30-27
●マサロ・グランダー(オランダ/同級9位)
▼ライト級 3分3R
●ゲーリック・ビイェ(フランス)
判定2-3 ※27-30、30-27、29-28、28-29、28-29
○マイケル・パランドレ(フランス)
▼ミドル級 3分3R
○エルトゥールル・バイラク(トルコ/同級5位)
判定4-1 ※29-28、28-29、29-28、29-28、29-28
●ヤコブ・シュトゥーベン(ドイツ/同級11位)
▼女子スーパーバンタム級 3分3R
○サラ・ムサダク(フランス)
判定4-1 ※30-27、28-29、30-27、30-27、29-28
●イ・ジウォン(韓国/同級6位)
▼ウェルター級 3分3R
○ダニ・トラオレ(ドイツ)
TKO 2R 1分30秒
●ジェレミー・アントニオ(フランス)
▼フェザー級 3分3R
●ヴィンセント・フォシアーニ(ドイツ)
判定2-3 ※27-30、30-27、27-30、29-28、28-29
○リヴァー・ダズ(オーストラリア)
▼ミドル級 3分3R
●ダニエル・クロスト(フランス)
判定1-4 ※28-29、30-27、28-29、28-29、28-29
○マシュー・セヴァ(フランス)
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