2012年4月度MVP 梅野源治
毎月GBRが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2012年4月のMVPは、4月15日(日)東京・ディファ有明で行われた『REBELS.11』でゴンナパー・シリモンコン(タイ)に勝利し、ムエタイ現役トップ選手に4度目の勝利を収めた梅野源治に決定!(2012年5月8 日UP)
PROFILE |
選考理由
1、「ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級7位デッカモンに再戦で勝つ」
2、「ルンピニーの現役ランカー2名、ラジャダムナンの現役ランカー1名、WPMF世界王者に次々と勝利。過去20年間にこれほどの好成績をあげた選手は他に類を見ない」
3、「日本人初のルンピニー王座獲得が期待される」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技、YAMATOの各格闘技雑誌の編集長とGBRの全スタッフ
受賞された梅野選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロテタイトカルシウム 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、GBRより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジム
MVP記念インタビュー
「どんどんランカーとやっていって、
チャンピオンに勝てるレベルにまで上げていきたい」
■負けたら今まで積み上げてきたものがゼロになる戦いだった
梅野源治がまたしてもムエタイ現役ランカーを撃破した。対戦相手のゴンナパー・シリモンコンとは2月24日にタイのルンピニースタジアムで対戦し、梅野が無念の判定負けを喫した相手。前回は梅野がルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級7位でゴンナパーが8位だったが、今回は梅野が10位でゴンナパーが7位と立場を入れ替えての再戦だった。
2カ月足らずという短い期間での再戦は、梅野が強く望んで実現したリベンジマッチだった。そこには次のような悲壮な決意があった。
「REBELS(主催者側)からすれば、今回も負けたら後がないのでやらせたくなかったと思います。これで負けたらルンピニーのランキングから外されてしまうだろうし、またタイで試合をするにしてもランキングの低い選手とばかり試合を組まれてしまうことになるでしょうから。
でも、自分が“とにかくやらせてくれ”とジムの会長(加藤督朗)に頼んだんです。会長は自分を信じると言ってくれて、REBELSに頼み込んでくれて今回の再戦が実現しました。これで負けたら今まで積み上げてきた実績がゼロになる、期待を全部裏切ることになると思ったので絶対に負けられない試合でした」
数々の修羅場を潜り抜けてきたにも関わらず、今までにないプレッシャーが梅野を襲ったと言うが、梅野は再戦すれば自分が勝つと確信していたという。
「初対戦では自分の力を出し切れませんでした。首相撲の技術はゴンナパーの方が上でロックも堅いので、簡単な相手ではないという印象があったんですが、自分の中ではもう1回やれば絶対に勝てるという確信があったんです。
自分が信頼する2人のタイ人トレーナーに試合の映像を見せたら『お前が100%の力を出せれば手こずるような相手じゃない』と言われました。だから、2 人は余計に負けたことが悔しかったと思うんです。こんな相手に負けるわけがないと、2人とも自信があったんだと思うんですよね。梅野がこんなもんだと思われたくない、もう1回やれば圧倒的に勝てるというのを証明したかったと思います。
会長も試合を見て『いつものお前とは全然違う、もう1回やれば勝てる』と言ってくれて、自信になりました。絶対に勝てると思っているのは自分だけじゃないんだって」
試合は1Rからゴンナパーがパンチで倒しに来たが、梅野が接戦に持ち込み4Rにはヒジでゴンナパーを流血に追い込んだ。そこからは梅野の独壇場となり、ゴンナパーを戦意喪失に追い込んで50-46、50-45、49-47という大差の判定勝ちを収めた。現役ランカーを完膚なきまでに叩きのめし、試合を諦めさせたのは近年では例を見ない勝ち方だ。
これにより、梅野はこの1年間でラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級8位(2011年7月18日)、ルンピニースタジアム認定フェザー級3位(2011年9月11日)、WPMF世界スーパーフェザー級王者(2011年11月13日)、そして今回とタイのトップ選手をことごとく撃破。過去20年間で、打倒ムエタイにこれほどの短期間で戦績をあげた選手は他に類を見ない。
■夏にルンピニースタジアムに再挑戦したい
厳しい相手との試合が続くが、梅野はやりがいを感じているという。
「日本人でも在日タイ人でも組んだら(首相撲)簡単に勝てるし、ヒジも簡単に当たるし、蹴りが遅いからミドルキックをもらうこともない。でもタイの現役でやっているランカークラスになると全ての技が出来るし、その中でも得意な技だけで勝負したらこっちはまず勝てない。試合をやっていて全然強さが違います。強い相手とやるのはモチベーションが上がりますし、勝ったら得るものも大きいので、強いタイ人とやりたいですね」
デッカモンにリベンジした後は、ルンピニースタジアムへの再出撃も宣言した。
「6月に日本で試合をやって、7月か8月にルンピニーでという話になりそうです。年内にあと2回はタイで試合をするつもりですね。それに向けてトレーナーから直すところがいっぱいあると言われたので、6月の日本での試合で修正して夏のルンピニーでそれを試してみたい。より完璧に近付けて挑みたいです。
タイと日本では採点基準も計量時間も食事も、違うところがいっぱいありますから、それに慣れていくしかない。今まで負けた日本人はタイに挑戦してもタイで試合をする機会が少なかったじゃないですか。いきなりタイへ行っても、元からテクニックで負けているのに試合に慣れていないからペースが狂ってしまうんですよね。自分も前回は1Rから飛ばしすぎてしまい失敗しました。
タイで勝ちたいなら、タイでチャンピオンになりたいならば、タイで試合経験を積まないと勝てません。ここからどんどんランカーとやっていって、チャンピオンに勝てるレベルにまで上げていきたいと思います」
日本人がまだ誰一人として巻いたことがない、ムエタイの殿堂ルンピニースタジアムのチャンピオンベルト。そのベルトへ一歩一歩、確実に梅野は近付いている。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「梅野源治がムエタイ現役ランカーにリベンジ! 」
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