耳が聞こえなくても格闘技の王者になれる、郷州が伝えたいメッセージ=10月度ベストファイターインタビュー
毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2017年10月のベストファイターは、10月1日に後楽園ホールで無敗の王者・安保璃紅を破りKrush -60kg王座を奪取した郷州征宜に決定!(2017年11月16日UP)
PROFILE
郷州征宜(ごうしゅう・まさのぶ) |
選考理由
1、「無敗の王者・安保璃紅にダウンを奪って勝利」
2、「難聴のハンディを乗り越えてのKrush王座奪取」
3、「同じハンディを持つ人たちに勇気と希望を与えた」
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された郷州選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムベストファイター記念インタビュー
「聞こえないからこそ、いいところがあるんじゃないかって考え方を変えた」
■最後まで自分を信じることが出来た
2017年10月も多くのベストファイター候補が生まれた。WBA世界ミドル級王座を奪取した村田諒太(10月22日・ボクシング)、14連続KOを達成してWBC世界フライ級王座の初防衛に成功した比嘉大吾(同)、KING OF KNOCK OUT ライト級王座決定トーナメントで町田光と大激闘を展開してTKO勝ちした森井洋介(10月4日・KNOCK OUT)、元UFCファイター日沖発を1Rで壮絶TKOに葬った髙谷裕之(10月8日・パンクラス)など。
その中から、より感動を呼んで10月のベストファイターに選ばれたのが、10月1日に後楽園ホールで開催された『Krush.81』で、安保璃紅を破りKrush -60kg王座を奪取した郷州征宜(31=K-1ジム総本部チームペガサス)である。
郷州は生まれつきの難聴というハンデを背負い、日本でただ一人の「耳の聞こえないキックボクサー」として活躍している。学生時代は野球部に所属し、東海大甲府高校在籍時には甲子園に出場。高校卒業後にキックボクシングを始めたが、その時はすぐに辞めてしまい、本格的に始めたのは24歳の時。2011年11月にプロデビューを果たし、10連勝でRISEスーパーフェザー級王座に挑戦したが初黒星を喫した。2015年7月にはREBELS 60kg級王座にも挑戦したが敗れ、今回は挑戦者決定トーナメントを勝ち上がっての3度目のタイトルマッチ。
王者・安保は8戦8勝(5KO)と無敗記録を更新中の19歳で、郷州とは4月にも対戦して勝利を収めている。初防衛戦での再戦となった今回、試合を有利に進めていたのはやはり安保だった。愚直なまでに前へ出てパンチとローで攻める郷州に対し、安保は軽快なフットワークでかわしながらジャブ、ロー、左ミドルキックを当てていき、郷州がパンチをヒットさせてもすぐに倍以上打ち返す。
安保ペースのまま試合終了かと思われたが残り15秒、安保が左ヒザ蹴りを出したところで郷州がタイミングよく左ストレートを伸ばし、安保は尻もちをつくようにダウン。これが決定的なポイントとなり、判定2-1で郷州がタイトルを奪取。郷州はリングにうずくまって男泣きし、場内からは郷州コールが巻き起こった。
「いつになったらチャンピオンになれるんだって気持ちはありましたけれど、少しずつよくなっている実感も自分ではありました。周りの人も良くなっていると言ってくれていたので、最後まで自分を信じることが出来たと思います。チャンピオンになることは最低限の目標だったので、もし10月に獲れなかったとしても多分やめてはいなかったと思います」と、試合を振り返る郷州。
「初めから応援してくれている人もたくさんいるので、そういう方々が凄く喜んでくれて本当に良かったですね。試合映像を見ましたが、やっぱり足りないところがありすぎです。安保選手は凄く上手くて自分の思い通りに試合をさせてもらえませんでした。そういう面では自分がチャンピオンだと自信を持って言える試合内容ではなかったので、次はしっかりと王者らしい内容のいい試合をしたいと思って、練習をすぐに再開して次の試合へ向けて頑張っているので期待していただければと思います」
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