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【Krush】難聴のハンディを乗り越え、郷州が王座奪取

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2017/10/02（月）UP

eFightの試合動画
試合レポートと同時にアップする速報動画では、KOシーンはスーパースロー再生。

3R終盤、安保（右）のヒザ蹴りに左ストレートを合わせてダウンを奪った郷州（左）

グッドルーザー
「Krush.81」
2017年10月1日（日）東京・後楽園ホール

▼第7試合　ダブルメインイベント第1試合　Krush -60kgタイトルマッチ　3分3R延長1R
〇郷州征宜（K-1ジム総本部チームペガサス/RISING ROOKIES CUP 2012スーパー・フェザー級優勝/挑戦者）
判定2-1　※29-27、28-29、29-28
●安保璃紅（TRY HARD GYM/第5代Krush -60kg王者）
※郷州が第6代王座に就く。安保は初防衛に失敗。

　王者・安保は現在8戦8勝（5KO）と無敗記録を更新中の19歳。昨年12月から開幕した「第5代-60kg王座決定トーナメント」で稲石竜弥、山本真弘、郷州征宜に勝利し、5月の決勝戦ではレオナ・ペタスを判定で下して王座戴冠。今回が初防衛戦になるのと同時に、郷州とは4月のトーナメント準決勝以来6カ月という短いスパンでの再戦となる。

　挑戦者の郷州は安保に敗れた後すぐに、同王座挑戦権を懸けたトーナメントに参加。そのトーナメントで闘士、大沢文也を下して安保への挑戦権を獲得した。生まれつきの難聴というハンディキャップを背負いながら、「耳が聞こえなくてもベルトが獲れることを証明します。おこがましいですが、同じ境遇の子供たちに夢や希望を与えます。そして、自分の夢を叶えたい。そのためには絶対負ける訳にはいきません」との想いを持って王者に挑む。

　1R、前に出る郷州をジャブで迎え撃つ安保。軽快なステップを踏んで、郷州のパンチ＆ローをかわしながらジャブを打っていく。それでも郷州は前へ出て安保にロープを背負わせると右フックからのヒザ蹴り。

　2R、安保は右ローの数を増やす。郷州は愚直に前へ出てパンチとローで攻めていく。その中で右ストレートをヒットさせるが、安保もすぐにまとめて打ち返す。安保はフットワークで動き回る。

　3Rも郷州は前へ出て右フックをヒットさせるが、安保はすぐに連打を打ち返す。さらに安保は回り込みながらの左ミドルで快音を場内へ響かせる。それでも郷州は前進を止めずに右アッパーをヒットさせ、手数を出す。

　郷州に一発もらっても安保が倍以上打ち返す。安保が上手く戦い、このペースのまま試合終了かと思われたが残り15秒、安保が左ヒザ蹴りを出したところで郷州がタイミングよく左を伸ばし、安保は尻もちをつくようにダウン。

ダウン判定に驚きの表情を浮かべる安保（右）

　これが決定的なポイントとなり、判定2-1で郷州がタイトルを奪取。郷州はリングにうずくまって男泣き。場内からは郷州コールが巻き起こる。

　マイクを持った郷州は、「聞こえない子供たちも来ているので手話通訳者をお願いします。Krushのチャンピオン郷州です。私は耳が聞こえません。聞こえない人でチャンピオンになったのは私が初めてです。毎回、聞こえない子供たちを招待しているんですが、ちゃんと見ていてくれたかな？

手話通訳の女性（右）と共に、会場の子供達へメッセージを送った郷州（左）

　自分も小さい時に聞こえないからどうせ無理なんだって考えることが多かったですが、自分の姿を見せて、聞こえなくてもこうして健常者の世界でチャンピオンになることだって、一番になることが出来るんだよってことが証明出来て本当によかったです。諦めるんじゃなくて出来るんだって、努力して結果を出して欲しいです。

　自分はチャンピオンになりましたがこれで終わりじゃないです。これからも夢を追い続けて頑張り続けるので、聞こえない子供たちも頑張って夢に向かって生きていって欲しいです。たくさんの方々に応援、支えてもらって本当にありがとうございます。私はここで終わりではないのでKrushのベルトの価値を高めるのはもちろんですが、3月のさいたまスーパーアリーナ（K-1）でさらに成長した姿を見せますのでよろしくお願いします」と、思いのたけを語った。