【9月・ベストファイター】K-1王座戴冠のレオナ・ぺタスに聞く、引退覚悟のトーナメント裏側や強さの秘訣とは
■トーナメントを振り返る、準決勝の圧巻ヒザ蹴りKOは「ひらめき」
初戦はスペインの強豪で、2冠王のアヤブ・セギリと激突したレオナ。1R、セギリの左フックからのバックブローを被弾してダウンを奪われてしまう。フラッシュダウンのような形だったが、判定にもつれた場合は2ポイント差が付くことになる。
しかし、レオナは「戦っている最中に『いつでも倒せるな』と思いました。ラウンドの間も『全然平気』と話していた」と冷静だった。その分析通り、2Rに右ストレートと左フックでセギリを転倒させてのKO勝ち。ヒヤリとしたが、準決勝へ駒を進めた。
準決勝は、20年7月にレオナの保持していたKrushスーパー・フェザー級王座の防衛戦で対戦し、一度勝利している大岩龍矢との激突だった。大岩はレオナに敗戦後、第4代Bigbangライト級王座を戴冠するなど進化を遂げていた。
ここでもレオナは「向こうは3R戦って(初戦で大岩はアダム・ブアフフに判定勝ち)ボロボロだったし、前と戦い方も変わっていなくて成長もしていない。僕の方が成長していると思ったので、余裕と思っていました」と確固たる自信を持ち、リングへ。
予感通り、レオナは自身のジャブやストレートで1Rからリズムを掴む。大岩はガードを固めて前進するが、レオナの攻撃を受けてしまう。2Rまで終わったタイミングで「僕の攻撃にダメージを受けて、相手は前に来れなかった。倒さなくてもポイントアウトして勝てると思いました」と感覚を掴んだ。
そして3R開始すぐ、左ジャブから飛び上がってのヒザ蹴りで大岩を衝撃KOで沈めた。フィニッシュのヒザ蹴りは「余裕ができて、飛びヒザを狙いに行こうとノリで出しました。『この角度で行けばいいな』とひらめいて出した技」と振り返る。引っかけ気味の左フックから、自身の身体を引き寄せて放ったヒザ蹴りがさく裂した。
ひらめきによるKO勝利は、自身のキャリアで「初めて」とレオナ。これまでKO負けのない大岩を倒し切ったことで、勢いそのまま決勝戦へ進出した。
決勝の相手は九州の朝久裕貴。1R44秒(初戦)、1R37秒(準決勝)という速さでレオナとの決勝戦に勝ち上がってきた。対戦を控えて「朝久選手も1回戦、2回戦は軽く勝ってきていて『ふざけんなよ』」との心境だった。
1Rからフック、ミドルと手数を出す朝久に、クリンチあるいは距離を作って攻撃を受け流すレオナ。下がって朝久を呼び込み、そこにカウンターでヒットを奪う。3Rには左フックや飛びヒザを放ち、最後は左右連打で朝久を追い詰めて試合終了。判定3-0で勝利して優勝を果たした。
裕貴の弟・泰央に、過去2度勝利を挙げている経験もプラスになった。「弟とは2回やっていて勝っています。朝久道場はみんなアマチュアも含めてスタイルが似ていると思っていて、やってみたら別にあまり変わらなかったです」という。彼曰く、弟・泰央と戦った際と感覚は似ていたようだ。
「内容的には普通に圧倒だったと思う。向こうは結構効いていてダウンしそうになっていたのが分かりましたね。延長に行ったとしても、間違いなくダウンまたはKOができて明確に勝てていたと思います」と語る。3試合を通して、危なげなく勝利した認識だ。
■優勝の秘訣は「断固たる決意。気持ちが全てだと思います」
レオナに優勝の秘訣を問うと「スラムダンクを見ていましたが、桜木花道の“断固たる決意“ですね(笑)。気持ちが全てだと思います。本当に後がなかったので、覚悟を決めていかないといけないと思っていて、覚悟が大事ですね」と答える。前述の通り、引退覚悟で挑んだことが実力を存分に発揮できた要因だ。
初のワンデートーナメントにも「もっと過酷でボロボロになるのかと思った。3試合終わってもう1試合できるなと思ったし、攻撃をもらっていないというのと、身体が元々丈夫なことがあって、結構いけると思いましたね」と大きなダメージなく、最高の結果を出すことができた。
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