2020/09/29（火）UP
（最終更新：2020/09/29 17:10）

108kgの井上（右）と51kgのマドレーヌ（左）。

　9月27日（日）に川崎・ディアナ道場で行われた『ディアナホームマッチ』で、レジェンドレスラー・井上京子と、総合格闘技出身のマドレーヌのシングルマッチが行われた。

　両者のシングルマッチは2019年5月、マドレーヌのプロレスデビュー2戦目以来。前対決は開始からわずか1分程で井上が108kgの身体から放つラリアット一発で勝利している。

井上のキャメルクラッチに苦しむマドレーヌ

　井上から「次は3分戦える身体を作ってこい」との課題を受けたマドレーヌは今回、約60kg差のある井上のラリアットや高速ブレーンバスターをどうにか耐え抜き、目標の3分を超える6分34秒、最後は片エビ固めでマットに沈んだ。
　目標以上の戦いを行ったマドレーヌに井上からはリング上で「1年でかなり成長した」と声をかけられると、マドレーヌは涙で答えた。

　マドレーヌは総合格闘技ではミクロ級（44kg）に出場しており、通常体重も44～46kg程度だったが、2019年5月のプロレスデビュー以降増量を重ね、現在は約7kgアップの51kgとなったという。プロレスでは投げられることも多く、100kg近い選手と戦うことも多い。また、毎週試合があり連戦も多くなるため頑丈な身体を作ることが大切だ。

MMA出身のマドレーヌが井上京子にミドルキックを放つ

　1年で7kgの増量方法についてマドレーヌに取材をすると、まず４つを心がけたという。

・とにかく食事量を増やすこと（今まで１〜２食だったのが４食ほどにし、摂取カロリーを増やした）

・自重トレーニングを回数、メニューを増やす（バーベルなど器具トレーニングは苦手なのだという）

・プロテインの活用
→ホエイプロテインを1日2~3回／朝と練習・試合後、就寝前

・完全な休息日を設ける
→ほぼ毎週試合があるため、カロリーを消費しすぎない日を作る
→ストレッチを長めに取り入れ体のケアをする時間を意図的に取る

この4つが大きなポイントだとコメントした。

ミクロ級（44kg）契約での計量

　自身の食事量について「周りのプロレスラーに比べて圧倒的に少なかった、男子選手は冷麺を食べながら白米とラーメンを食べていたりする」と振り返り、食事の回数自体も増やし、炭水化物も多く摂取するように変更。
　また、筋肉質な選手から教わった自重トレーニングを実践し、練習や試合後だけではなく朝や就寝前にプロテインを摂取するように努めた。

　当初なかなか体重が増えず、ぜい肉ばかりが増えてしまうこともあったが、休息日を入れるようになってから急に体重が増えたという。
考えられる一因として、筋トレをすると筋肉が壊れ、食事やプロテインを摂取し、そして超回復させるために休養と睡眠が必要をとると成長ホルモンが促され、食べた食事も有効に筋肉を修復に使われ筋トレする以前のカラダより強くなる。それで筋肉が発達する。しかし、毎日休まずトレーニングをし、夜更かしして睡眠時間が少ないと回復しずらくなり、筋肉が壊れたままとなり、食事も筋肉の修復にうまく使われず、それでぜい肉になった可能性もある。

　週に1日の休日では、プロレスの練習はもちろん、自重トレも行わず、普段の日も含めストレッチと睡眠を多めに取り入れた。すると、今年7月には、念願の50kgを超え、逆にぜい肉が付きにくくなり、体重が増えることで身体への衝撃も緩和され「攻撃されるのは痛い、ものすごく痛い、けれど耐えられるようになってきた」のだという。増量もダイエットにもこの超回復は重要だ。

　プロレスのみならず、立ち技や総合格闘技選手でも増量を行う選手も多い。『今年1月に『HEAT46』で試合をした石井慧は103kgに減った体重からベスト体重の113kgに増量し勝利につなげている。

　なお、マドレーヌは10月11日、後楽園ホールで堀田祐美子とシングルマッチを行う。

▼井上京子とマドレーヌの試合