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【コラム】RENAや美憂だけじゃない
世界でジョシカク・ブーム沸騰中!

元WOWOWのUFC中継解説者としても知られる格闘技ジャーナリストの稲垣收(いながき・しゅう)氏が、世界を舞台に格闘技のディープな情報を発信する世界格闘技最前線。
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■絶大な人気を誇るロンダ・ラウジー

 こうした女子格闘家の中でも、絶大な人気を誇るのがロンダである。

 ロンダは北京五輪の柔道銅メダリストで、2011年3月に総合プロデビューし、2015年11月のUFC193でホーリー・ホルムに敗れるまで、12戦全勝、全試合完全決着勝利、しかも1試合をのぞきすべて1R勝利という圧倒的強さを誇り、“絶対女王”の名をほしいままにしていた。

ついに1年1カ月ぶりのカムバックが決まったラウジー。王座を取り戻すことが出来るか (写真:(C)NAOKI FUKUDA)

 女子ボクシング三階級制覇のホーリーとの対決は、非常に大きな注目を集め、オーストラリアはメルボルンのエティハッド・スタジアムで行われたこの試合には、5万6214人の観客が集まり、UFC史上最大の観客動員数となった。

 テレビのPPV(ペイ・パー・ビュー=有料視聴契約)数も、それまで最高の110万件で、これはボクシング界のスーパースター、フロイド・メイウェザーの引退試合のPPV契約数の2倍以上だった。

 ロンダは格闘界のみならずハリウッド映画でも活躍し、『エクスペンダブルズ3』ではシルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツネッガーらキラ星のごとき大スターたちと共演し、激しいアクション・シーンだけでなく、堂に入った演技力も見せた。

 そのロンダとライバル関係にあったのが“世界一の美女格闘家”と呼ばれたミーシャ・テイトだ。ミーシャは元ストライクフォース王者で、2012年にロンダに1R負けして、この王座を奪われたが、2013年のUFC168でロンダと再戦、この時は3Rまで粘りを見せたものの、またも苦杯を喫した。しかしロンダが1Rでフィニッシュできなかったのは、この試合が初めてだった。

UFC JAPANでは中井りんと対戦しているミーシャ

 そしてUFC193でロンダがホーリーにハイキックでKO負けして王座陥落すると、ホーリーの初防衛戦の相手にミーシャが選ばれた。今年(2016年)3月のUFC196でのこの対戦で、ミーシャはホーリーの打撃に苦しめられるが、最終の5R、ホーリーを寝ワザに引きずり込み、必死の形相でチョーク・スリーパーを仕掛け、ホーリーを失神させて、悲願のUFCベルトを奪ったのだった。(ちなみに、このミーシャと2014年のUFC日本大会で戦ったのが、中井りんである。パンクラス女子バンタム級王者である中井は、ミーシャと3Rフルに戦い抜き、判定では敗れたが地力の強さを見せた)

 しかしミーシャも、今年7月のUFC200での初防衛戦で、ブラジルのアマンダ・ヌネスに1Rチョーク・スリーパーで敗れた。新王者になったアマンダとロンダが、この大みそかに対戦するわけである。 ・・・

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