【吉鷹弘の打撃研究室】連載第49回「S-cup2013、私のMVPは小見川道大!! 」の巻
打撃のスペシャリストである筆者が、最近の試合を題材に打撃技術を分析していく連載コラム。今回は11月23日に行われたシュートボクシング『GROUND ZERO TOKYO 2013』にて、-65kg日本トーナメントで準優勝した小見川道大を分析する。筆者が「大会MVP」にあげるその理由とは!?
「~SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT~GROUND ZERO TOKYO 2013」の試合レポートはこちら
■総合系の選手がSBルールで打撃系を制圧する理想的なスタイル
シュートボクシング『GROUND ZERO TOKYO 2013』S-cup2013 -65kg日本トーナメント、私のMVPは小見川道大!!
11月16日、東京・両国国技館にて行われたシュートボクシング65kg級トーナメント。 結果は大方の予想(?)と期待通り、鈴木博昭が危なげなく優勝。決勝戦の相手は投げ技と卓越したパンチの技術、さらに前に出る圧力を存分に活かして勝ち上がってきた小見川だった。
優勝した鈴木は見事な戦いぶりだったが、私のこの大会でのMVPは初のシュートボクシングルールにも関わらず、これまた危なげなく決勝に勝ち上がってきた小見川だ。
一度私のチーム吉鷹に練習に来たことがある小見川。その時のスパーリングでも打撃の上手さは際立ち、特にパンチの連打と出すタイミングは非常に優れていた。とても柔道から転向してきた選手とは思えないほどで、さらに前に出る圧の強さはとても軽量級とは思えないほど強く重かった。
小見川の1回戦の相手は難敵・小宮由紀博。小宮の打撃技術は戦前、今大会に出場した選手の中で鈴木と双璧では……と、鈴木と共に優勝候補の一人と思っていただだけに少し小見川には荷が重いか? と予想していたが、そんな私の心配は完全に払しょくされる試合展開になっていく。
序盤、いきなり前に出るや小見川は小宮をつかまえて大腰で投げてシュートポイントを奪取する。前に出る圧力、組んでからの圧力を感じた小宮は投げられて以降は、ほとんどの時間を退がりながら戦わざるをえなくなる。間を詰められると完全にペースを握られてしまうがゆえに。
パンチを上手く織り交ぜながら接近して組みついての足技、さらには力強い投げ技ですぐさま崩しにかかる小見川は何度も小宮をマットに転がす。
どんなに打撃技術に長けていたとしても、これだけ崩されて前に出られ、自身の上体を反らされ重心を上げさせられてしまっては、さすがの小宮もどうしようもなかったことだろう。その結果、判定3-0で小見川が勝ち上がる。総合系の選手がシュートボクシングルールで打撃系を制圧する理想的なスタイルだった。
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