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交通事故のリハビリで格闘技! 左足切断寸前の大ケガから、アマチュア大会出場まで復活

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「格闘技と漫画家どっちがやりたいの?」

 真剣に格闘家としての将来を考えていた頃、右手を疲労骨折。絵が描けなくなったしらとりさんは、「あれ? オレは何がやりたかったんだっけ? 格闘技と漫画、どっちがやりたいの?」と自問自答することになる。結局、子どもの頃からの夢だった漫画家にシフトチェンジ。ジムはいったん休会し、出版社への持ち込みを再開。念願の漫画家デビューを果たす。

格闘技から“続けられる自信”を得た

 「オレのマンガって4コマだし、コツコツ続けることが大事みたいなところがあるんです。ネタを考えることもそうだし、連載を長く続けていれば…という。単行本を出せるようになるなんて、最初は全然考えてなくて、とりあえず長く続けられれば…って思ってたんです。今でもそうですけど。このジムで、そして格闘技をやったことで、その“続けられる自信”を持てるようになったし、“長く続けることが一番いい”ということが分かったような気がします」

シーザージムの人間関係があったから続けられた

宍戸選手とジムで

 「これはお世辞で言うんじゃなくて、オレ、このジムじゃなかったら、こんなに長くやれなかったと思います。一番上の人(シーザー会長)が厳しい方だから、上下関係がしっかりしてるし、みんな礼儀正しい。オレはいろんな人と仲良くなるのが苦手なタイプなんですけど、唯一ここだけ通えてる。シッシー(宍戸選手)だけじゃなくて、職員さんもみんな礼儀がしっかりしていて、人に対して、絶対に変な風に接しない。あと、試合前で大変な時とかを見ていても、この人たちすごいなって尊敬できる。このジム以外なら絶対続けられてないって言えますね。ほんと、このジムで築けた人間関係は大きかったです。一番ですね。もちろん、このジムは練習もかなり厳しいとは思いますけど」。

「ジムは、いろんな価値観の人が同じ目的を持って頑張る場所」(宍戸大樹選手)

若かりし頃の白鳥さんと金髪の宍戸選手。

 しらとりさんがジムに入門した当時からの“親友”宍戸大樹選手は言う。
「例えばリハビリセンターだと、どうしても、“リハビリのためのリハビリ”になってしまうと思うんですよ。当然ですけど。でも、同じリハビリ仲間はいると思いますが、そのリハビリは辛いと思う。でも、ジムという場所はいろんな価値観の人がいて、その中で、みんなが格闘技で鍛えるっていうひとつの目的に向かって一生懸命に頑張っている。その雰囲気の中で練習するってことは、しらとりさんにとっておそらく、精神的な充実感が一番大きかったと思うんですよ。もちろん、格闘技をやることで、蹴りをミットに当てる、サンドバックに当てる刺激が骨にいいとか、筋肉にいいということもあると思います。でも、しらとりさんの場合は、このジムというコミュニティの中で、いろんな人とつながりができたことが楽しくて、それでもっと練習したいとか、続けたい、通いたいって思えたんだと思うし、結果的にケガの回復にも良かったんだと思います」

 最後に、同じく交通事故のケガや後遺症に苦しんでいる方々にメッセージをもらった。

「格闘技はいろいろな動きが入る。五体を使って自由に表現する」(宍戸選手)

現在も練習量は一時期より減ったが、時間を見つけてはジムに通う。

「格闘技っていろんな動きが入りますよね。例えば、野球だと、動かす部分は限定されてくる。格闘技は自分の五体を使って自由に動いて表現する、そういう場です。またジムは、いろんな人が集まりますから、そういう場所に来るだけでも、気持ちも晴れると思うし、いろんな生きがいとか目標を見つけやすいんじゃないかなとは思います。もし、近くに格闘技のジムがあったら、ちょっとのぞいてみるのもいいかもしれないですね」

「自分に合った運動を続けられる環境が手に入るといい」(しらとりさん)

ジム仲間&宍戸選手と。本当に仲が良い!!

「オレもまだ、ケガをした左足のかかとのあたりは完全には曲がらないんです。主治医の話では、筋肉を付けて、関節を柔らかくするしかないと。だから、別に格闘技じゃなくても、その人に合ったもの、水泳でも何でも、とにかく体を動かし続けたほうが良いと思います。それが一番じゃないですかね、とにかく動かすという。そして、オレにとってのシーザージムのように、自分に合った運動を続けられる環境を見つけられるといいですよね」

 交通事故による大ケガ。漫画家としての挫折。一度は自暴自棄になったしらとりさんだが、格闘技を通じて、そこから抜け出るきっかけを掴んだ。

単行本となった白鳥さんの4コマ漫画『らーまん』。帯に「超行列ラーメン店の成功秘話!!」とある。

 結局、退院後に義弟と始めたラーメン屋が雑誌に取り上げられ、行列ができるほどの人気店に。そのラーメン店での日常を描いた4コマ漫画で漫画家としてデビュー。また、宍戸選手のTシャツをデザインするなど、イラストレーターとしても活躍する。もちろん、現在も、シーザージムに通って汗を流す格闘技愛好家でもある。

 「事故があって、自暴自棄にもなって、いろいろもがきましたが、最終的にはいろんなことのタイミングがバチっと合った感じです。本当にぴったりでした。もし、どこか間違っていたら、もしかしたら、何もしていなかったかもしれない」
 悲壮感もなく、明るくあっけからかんと話すしらとりさんだが、その柔和な眼差しの中には、コツコツと、黙々と努力を続けられる強さが宿っていた。

副店主を務めるラーメン店『太陽堂』で腕を振るう。

しらとり・だいすけ(白鳥大輔)
1974年2月17日、東京都出身。漫画家。ラーメン店副店主。シュートボクシング歴13年。アマチュアSB戦績5勝5敗。某ラーメン王が3つ星をつけた人気ラーメン店『太陽堂』(東京・立川)の副店主を務めながら、2008年10月、『本当にあった笑える話』(ぶんか社)にて漫画家デビュー。単行本『ら~まん』が好評発売中!!

「毎月30日発売の『ほんわら(=本当にあった笑える話)』(ぶんか社)をよろしくお願いいたします~♪」(しらとり)

■シーザージム浅草
〒111-0033
東京都台東区花川戸2-2-8
03-3843-1212
http://shootboxing.org/gym

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【インタビュー・動画】勝つための格闘技医学 応急処置編
格闘技専門のスポーツドクターとして「強くなる医学」を研究・実践している二重作拓也先生が、格闘技の試合で起こりえるケガの応急処置法をインタビューと動画でわかりやすく紹介。

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