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前 田日明がプロデュースする“不良”や“ワル”をキーワードにした異色のアマチュア総合格闘技大会『ジ・アウトサイダー』。3月30日に旗揚げ戦を行い、 2008年は4大会を開催していずれも会場を満員にした。チケットはすぐに売り切れ、雑誌やネットでも大きな話題となり、格闘技の新たなるムーブメントと なった感がある。2008年の大会を振り返ると共に、2009年の活動について前田代表に大いに語ってもらった。

■いくら周りで騒がれても、俺は地道に着実にやっていく大会だと思っている

――アウトサイダーを今年1年間やってみての感想からお願いします。

「面白かったよ。素質のある子を探すことを目的としてやってるんだけれど、いっぱいいる よね。次から次へと出て来る。今回の第4戦は1年間を通して勝率の高い子を中心にマッチメイクして、新規参入が60%くらいだったんだけれど、いつもなら 80%くらいは新規参入だからね。毎回毎回、あれっと思うのが出てきて面白いよ」

――今年3月に旗揚げしたばかりですが、短期間で大きな話題となってチケットもすぐに完売するほど人気が出たじゃないですか。

「どうなんだろうね? 俺にはピンと来ないんだよ。チケットが手に入らないなんていうの は当たり前で、ディファ有明なんて満席でも1,260人のキャパでしょう。立見を入れたとしても、それくらいのチケットが売り切れるのなんてすぐじゃな い。後楽園ホールだってフルで2,000人くらいでしょう」

――とは言っても、プロのイベントでもディファ有明が満員にならない状況なんですよ。

「いくら周りで騒がれても、俺は地道に着実にやっていく大会だと思っているから。アマ チュアで選手を発掘・育成していくというコンセプトでやっているので、続けるために収益をあげるのはもちろんなんだけれど、大切なのはそういうものではな く、長く続けていくことによって選手を1人でも多く発掘するという大会。

 目立つという意味では話題になるのはいいことだけれども。元気のあるお兄ちゃんたちは、目立てる場所でないと出てこないからね。そういう意味では当初の 目的である、インパクトを出してそういう子たちに振り向いてもらえる大会に出来たかなって思うよ」

――成功を収めてもまだ浮かれたりはしていない、ということですね?

「そうだね。第4戦で内藤(“マゾヒスト”=第14試合に出場)君が病院に運ばれてヒ ヤッとしたのもあるから。安全面には気をつけないと本当に怖いよね。次回からはCTスキャンでの頭部の検査も義務付けようと思っているよ。これは俺の今ま での経験にも関わることで、選手が事故で障害を負ったり死亡したりっていうのは絶対未然に防がなくてはね。人の子の親になってみたらなおさらだよ。親がど れくらい悲しむかよく分かるから…。

 今回の反省点としては、救急車を呼んで会場を出発するまでにバタバタして10~15分も時間がかかってしまったこと。それをもっとチームワークでパッと出来るようにミーティングをしないといけないと思っているよ。

 特に頭の怪我は1分1秒を争うから。脳内出血とかも速ければ速いほど後遺症が残らないからね」

――アウトサイダーでは緊急受け入れ先の病院を用意していますが、用意しておいて本当によかったですね。

「搬送先を二つ抑えてあったからね。やっぱり抑えておいてよかったと思った。格闘技で特に怖い怪我は二つあって、脳へのダメージともうひとつは内臓破裂。内臓破裂は本人も気付かない内に、どんどん腹腔内に大量出血してしまうということがあるから怖いよ」 ・・・

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