11月20日(土)21日(日)の2日間にわ たって東京体育館で開催される国際空手道連盟・極真会館(松井章圭館長)『第42回オープントーナメント全日本空手道選手権大会』。128名が出場する トーナメントの中でも、今回、一際注目を集めている選手がいる。それが今年の『第28回全日本ウェイト制大会』中量級で優勝し、史上最年少王者となった 17歳の高橋だ。空手界のニュープリンスはどんな人物なのだろうか?(2010年11月1日up)
PROFILE |
■5人兄弟で4人が空手を学び、お父さんも壮年部のチャンピオン
ーーまず空手を始められたきっかけから教えてください。
「小学校2年生から始めました。きっかけは自宅近くに道場が出来て、兄弟3人で見学に行ったことです。お父さんは格闘技が好きだったので“面白そうだったら入門しなさい”と言われ、実際に面白そうだったから入門しました」
ーー高橋選手自身は格闘技が好きだったんですか?
「サッカーをやっていたので、それまでは全然興味がありませんでしたね」
ーー空手のどんなところに魅力を感じたのですか?
「みんな一生懸命に頑張っているところです。それまで何かひとつのことに一生懸命に頑張ることがなかったんですね。サッカーも中途半端でしたし、空手をやってみてこれならずっと頑張れると思いました」
ーー怖くなかったですか?
「大丈夫でした。初めてのスパーリングは怖かったですけれど。最初は先輩たちに毎日泣かされていました(笑)」
ーー初めて試合をしたのはいつくらい?
「オレンジ帯の時です。その時は3回戦くらいで負けて、凄く悔しくてもっと頑張らないといけないって思いました」
ーー子供の頃から格闘技を学んでいる人は、中学や高校などの進学時に辞めてしまうことが多いですよね?
「僕は本当に空手が好きだったので、辞めようとは思いませんでした。たしかに僕よりも先に始めた先輩たちは、みんな中学校で辞めてしまいましたね。だから、道場で今一番古いのは僕の兄弟たちなんです。部活も入らなかったですし、本当に好きなことだから頑張れるんです」
ーー3人兄弟で全員が空手を続けているんですか?
「いや、5人兄弟なんです。4歳の妹以外は全員が空手をやっています」
ーーお父さんも空手を学んでいるとか。
「はい。僕、高校1年生と中学2年の弟が先に始めてから、お父さんも“やってみようかな”と思ったようです(※2010年全日本壮年空手道選手権壮年39歳以下重量級優勝の実績がある)」
ーーまさに空手一家ですね。高橋選手が選手として本格的にやってみようと決めたタイミングは?
「初めて試合をして負けた時です。本格的に全日本チャンピオンになりたいと思ったのは中2くらいで、渡辺理想先生に教わるようになったくらいからですね。理想先生の指導を受けてから、自然とそう思うようになりました」
ーー渡辺選手は現在K-1やRISEなどプロで活躍されていて蹴り技が特徴的ですが、蹴り技に憧れたんですか?
「そうです。理想先生の試合を見て、僕もあんな風になりたいと思いました。……でも、あの蹴りは出来ないです(笑)。目標にしていますが、なかなか難しいです」
ーー少年部ではなく一般部の試合に出るようになったのは?
「15歳(高校1年生)の時です。当時はまだ18歳以上という規定がなかっ たので、出てみようと。それで関東のウェイト制大会(-75kg級)に出場しまして、決勝まで行ったんですが負けてしまいました。初めてサポーターなしの 素手素足で組手をやったので、身体がボロボロになってしまいました」
ーー大人との差は感じましたか?
「いや、サポーターがなかったこと以外は変わりませんでした。技術に関しては僕と同じ年の選手の方が上手いなと思いましたね」
ーーそして今年の全日本ウェイト制大会で、初出場、史上最年少17歳で中量級を制覇するという記録を打ち立てましたね。
「必死でした。その前に出たユースの大会で周囲に期待されていながら、浮か れた気持ちでいて負けてしまい、“これじゃダメだ!”と負けた次の日から練習を始めたんです。ウェイト制では絶対にチャンピオンになろうと決めていたの で、身体は凄く痛かったんですけれど、絶対に負けられないと思っていました」
ーーユースの大会では慢心があったんですか?
「はい。周りのみんなから“余裕だよ”と言われていて、自分でも余裕なのかなって思ってしまったんです(苦笑)。実際は全然、余裕なんかじゃありませんでした。今までで一番ダメな試合でしたね」 ・・・
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