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2011年6月度MVP 高橋 藍

 毎月GBRが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。
  2011年6月度のMVPは、6月5日に行なわれたシュートボクシング(以下SB)協会「SHOOT BOXING 2011 act.3 -SB169-」でRENAを破りSB日本レディース王座に就いた高橋藍選手に決定!
6月度MVP候補に挙がった選手はこちら
(2011年7月2日UP)

選考理由
1、「注目度の高いRENAとの試合で大差の判定勝利(50-46、50-47、50-47)を収めた」
2、「この勝利により13年ぶりに復活したSB日本レディース王座を獲得」
3、「8月19日(金)に開催されるGirls S-cup 2011での活躍も期待される」

PROFILE
高橋 藍
(たかはし・あい)
1982年5月10日、千葉県出身
168cm
2009年6月28日、ヤングシーザー杯でプロデビュー。
同年8月、Girls S-cupでは石岡沙織と対戦し、判定で敗れる。
その後は大石ゆきの、V.V.Meiらを相手に6連勝。
2010年8月29日、Girls S-cup世界大会でRENAに再延長で敗れて準優勝。
2011年6月5日、王座決定戦でRENAを判定に破りSB日本レディース王座に就く。
第6代SB日本レディース王者
SB戦績:13戦11勝(5KO)2敗
シーザージム所属

■「高橋は女性なのに侍の心を持っている」(シーザー武志)

 13年ぶりに復活したSB日本レディース王座を争ったのは、女子格闘技の祭典『Girls S-cup』2009日本&2010世界王者のRENAと、2010世界準優勝の高橋藍だった。

 RENAは打つ・蹴る・投げる・極めるのシュートボクシングスタイルを体現し、試合で破竹の10連勝。整ったルックスもあいまって高い人気を誇り、テレビ・雑誌などのメディアに露出し、SBの、いや女子格闘技界のエースとしてトップを突っ走ってきた。

 そのRENAの後塵を常に拝していたのが高橋だ。RENAに遅れること約2年、2009年6月にプロデビューした高橋は、デビュー2戦目にしてGirls S-cup 2009日本トーナメント出場の大抜擢を受ける。

 ここでは1回戦で総合格闘家の石岡沙織に敗れるが、以後は6連勝。RENAに続く女子シュートボクサーとしての地位を確立した。

  そして迎えた2010年8月29日、高橋はGirls S-cup 2010世界トーナメントで決勝戦へ進出。ついにRENAとの一騎打ちを迎えた。試合は両者譲らず、本戦の2分3Rを戦っても決着がつかず延長戦へ突入。 そこでも決着がつかず、再延長戦へと勝負はもつれこみ、RENAが判定3-0で優勝を果たした。

 敗れはしたものの、高橋の評価はこの時の善戦でグッと上がった。無尽蔵のスタミナ、一度はRENAに腰を落とさせた強烈な右ストレート、そして攻撃を出し続けるアグレッシブな姿勢。近い将来、高橋がRENAの前に再び立ちはだかることになるのは誰の目にも明らかだった。

“そ の時”は意外にも早くやってきた。RENAが「先輩たちの血と汗と涙のこもったベルトを継承したいと思います。私に本当のベルトをください」とシーザー武 志SB協会会長に直訴したことで、SB日本レディース王座が13年ぶりに復活。そのベルトをRENAと高橋が争うことになったのである。

 RENAに敗れた以降は3連勝を飾り、しかも2つのKO勝ちと波に乗っていた高橋は、王座決定戦でRENAを圧倒。RENAを何度もマットに叩きつけ、最大4ポイント差をつけて判定勝ちし、復活したベルトを腰に巻いた。

 シーザー会長は「今まで何人もの女子選手を育ててきたけれど、高橋は女性なのに侍の心を持っている」と評し、その言葉を聞いた高橋は嬉しさのあまり涙ぐんだ。

  高橋藍。29歳。普段は講談社のグループ会社に勤務する編集者であり、締め切りの忙しさに追われながらも毎日のハードな練習は欠かさない努力の人である。 その高橋が記者会見で「カワイイとかキレイではなく、これからの女子格闘技は実力派の時代が始まる」と高らかに宣言。女子ムエタイ世界二冠王の神村エリカ を始め、高橋の主張に賛同する女子選手は多い。

 RENA戦の秘話、どうやってここまで強くなれたのか、そしてこれからの意外な目標について、高橋が大いに語る。

■試合前日の記者会見、RENAを怒らせた挑発の真意

ーータイトル獲得、おめでとうございます。チャンピオンになってどういうご気分ですか?

「ありがとうございます。やっと落ち着きまして、もう余韻に浸ってる場合ではないので心境的にも切り替え、練習の内容も変わってきましたし、先を見ています」

ーーどれくらい余韻に浸れました?

「自分が余韻に浸っていたというよりも、周りの方の祝福が2週間くらい続きました」

ーー毎日「乾杯! かんぱーい!」の連続でしたか。

「それもありました(笑)。お世話になった方々にお礼を言いに行ったんですが、今まで勝った時とは相手の 方の反応が違いましたね。自分でも”チャンピオン”という響きにしっくりこない部分があったんですが、周りの方々の反応を見て2週間かけてジワジワと実感 が湧いてきました。

 最初の1週間はバタバタして考える余裕もなかったんですが、今はやっと落ち着いて”チャンピオンになったんだから次を目指さないといけない”というように切り替えることが出来ました」

ーー高橋選手はコミックの編集を仕事に持っていますが、試合の何日前まで仕事はしていましたか?

「いつもは試合前日の計量の日と、試合がある日はお休みを頂いているんですが、今回は減量がいつもよりき つかったので計量前日は午前中であがらせてもらいました。それで随分と助かりましたね。試合が6月上旬だったので、夜はまだ寒かったんです。昼間に走るの とでは汗のかき方が全然違ったので、フラフラでしたが前日の昼間に走らせてもらえたのはよかったです」

ーー仕事は試合の次の日から?

「いつもはそうですが、今回は試合翌日も休ませてもらいました」

ーー会社の人たちも相当喜んでくれたのでは?

「喜んで下さいました。本当によかったです」

ーーでは、次は『高橋藍物語』のコミック化も夢ではないですね。

「いやぁ(笑)。私は普通に生きてきたので、コミックに出来るようなドラマは何もないんです。引きこもりがちだったとか、どうしようもない不良だったとか。普通に小・中・高と学校を出て、専門学校に行って会社勤めて……コミックとして面白くないですね(笑)」

ーー試合前の話ですが、前日の記者会見が凄かったじゃないですか。RENA選手がピリピリしていて、高橋選手が火に油を注 ぐように、「明日の試合に向けてRENA選手にお願いがあります。ごまかしがきかないガチガチの打ち合いをしないと歴史に残らないし、私は歴史に残りたい ので、その相手役を買って出て欲しい。そうでないと勝っても意味がないんですよ。一番はSBファンに喜んでもらえる試合をやりたい。その上で一番強い者が このベルトを巻ける。だから、逃げ回るようなことはしないでもらいたい」と挑発して。

「私は煽るつもりはなかったんです!」

ーー相当な挑発ぶりでしたよ。

「本当にすいません(笑)。あの時は減量でフラフラだったので、頭をフル回転させて言ったつもりだったんですが…… ・・・

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