2011年12月度MVP 菊野克紀
毎月GBRが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2011年12月のMVPは、12月31日(土)さいたまスーパーアリーナで行われた『元気ですか!!大晦日!!2011』で長島☆自演乙☆雄一郎をTKOに破った菊野克紀に決定!(2012年1月6日UP)
PROFILE |
選考理由
1、「2010年の大みそかに青木真也をKOした長島にTKO勝ち」
2、「ダウンを奪い合うエキサイティングな試合内容で観客を沸かせた」
3、「2012年は70kg級トップを追随する活躍が期待される」
受賞された菊野選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロテタイトカルシウム 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、GBRより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジム
MVP記念インタビュー
「武術の突きが少しだけ上達した気がした」
■ドクターストップを振り切って出場した理由
ヒョードルvs石井、青木vs北岡、高谷vsリオンなど多くの大一番が行われ、観客を熱狂させた『元気ですか!!大みそか!!2011』。その中でもダウンの奪い合いとなり、エキサイティングかつ緊張感のある勝負で場内を大いに沸かせたのが、菊野vs長島のMIXルール(1RはK-1ルール、2RはDREAMの総合格闘技ルール)だった。
2010年の大みそか、長島は青木真也と同じMIXルールで対戦し、不利と予想された2Rの総合格闘技ルールで開始からわずか4秒、飛びヒザ蹴りで青木を KO。「この会場にいるほとんどの人がDREAMファンですよね? K-1なめんなよ! 僕が格闘技を背負って立ちます!」と絶叫した。
この結果と長島のマイクアピールにいち早く反応したのが菊野だった。TV解説を務めていた菊野が「僕がK-1ルールで長島選手にリベンジしたい」と長島との対戦を即座にアピールしたのである。
1年越しでようやく実現したこのカード、試合直前は「怖かった」と菊野は告白する。「長島選手は攻撃力がある選手ですし、1Rは慣れていないルールということで怖さがありました。でも、自分のやるべきことをいつも通りにやるだけだと考えていました。最高の舞台で最高の相手との試合を楽しもうと思っていましたね」
実は菊野、10月にDEEPで行った試合で左拳を痛め、ドクターストップがかかっていたという。「不安はありました。もし大みそかではなく、相手も長島選手ではなかったら試合を断っていたでしょうね。大みそかと長島選手、2つの魅力的なものがあったから試合をやることにしたんです」
1Rで長島からダウンを奪った右ストレートのカウンター。これは左拳を怪我していたため、右のパンチを中心に練習していたから出たものではないかと推測されたが、菊野の答えはノーだった。「左で殴ることは出来ませんでしたが、練習は左右両方で普通にやっていました。ダウンを奪うことが出来たのは僕が前から言っている武術の突きが少しだけ上達したからだと思います」
■自分が有利なことをあえてやらないのは相手に失礼
また、最近の試合ではあまり見ることが出来なかったパンチをもらわない勘の良さ、左フックをダッキングしてかわして組みつく上手さなど、菊野が元々持っていた良い部分が久しぶりに現れていた。
「ここ数戦の僕は武術を活かすための過渡期にあると思っています。8月の廣田瑞人戦(DEEPライト級タイトルマッチ=菊野が判定負けで王座転落)が特にそうだったんですが、新しいことを取り入れると一時的に不安定な状態になるじゃないですか。
でも、少しずつですが自分自身を出しつつ武術の動きが出せるようになってきました。今までは武術の動きをしようと意識するあまり固くなっていましたが、段々と意識しなくても出せるようになってきたということだと思います。だいぶ自分の身体に染みついてきた感じがします」
1Rは打ち合いの形となり、2Rも立ち技にこだわるのかと思いきや、組みに行って最後はバックマウントポジションからのパンチで長島を仕留めた。菊野はその理由をこう語る。
「いつも通りのことをやっただけです。組んだ以上はわざわざ離す必要はない。狙って組んだわけではありませんが、組んだからテイクダウンしたということです。相手の弱点を狙うのは格闘技として正しいことですし、こっちが有利なことをわざとしないのは相手にとって失礼なことだと僕は思っています。手加減するようなものじゃないですか」
MIXルールに関しては「またやりたいという気持ちはありませんが、もうやらないとは言いません。流れに任せます」という菊野が2012年に目指すもの。それはこれまでと変わらず、DREAMライト級チャンピオンの青木真也に勝つことだ。
「大みそかは青木選手も北岡選手も強かったですね。格闘技を知っている者から見ると、凄く面白い試合でした。僕が武術を研究しているのは彼らに勝つためにはそれしかない、と思っているからです。ボクシングスタイルでは勝てる気がしません。もっと磨いて青木選手に挑戦したい。理想としている完成形にはまだまだですが、感覚はつかめてきました。大みそかの試合で自分がやっていることは間違いじゃないと確信することが出来ましたね。今年はさらにそれを高めて行きたいと思います」
武術で総合格闘技を制す。菊野克紀の挑戦は2012年も続く。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「菊野が長島☆自演乙にTKO勝ち!トーナメント優勝はビビアーノ 」
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