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 6月9日(土)・10日(日)大阪府立体育会館で開催される極真会館『第29回全日本ウェイト制空手道選手権大会』の重量級に出場する荒田。昨年6月のオールアメリカン大会では第9回全世界王者エヴェルトン・テイシェイラを破る快挙を達成するも、同年11月の全世界大会では5回戦で敗れた。しかし、房総の金太郎の目は、すでに3年半後を向いている。(取材日:2012年6月1日)

PROFILE
荒田昇毅
(あらた・しょうき)
1987年2月25日、千葉県出身
2002年8月、極真会館千葉県南支部に入門
2007年富山県大会優勝
2007年秋季関東大会重量級優勝
2010年第27回全日本ウェイト制重量級優勝
2010年オールアメリカン大会3位
2010年第42回全日本大会5位
身長184cm、体重101kg
初段
極真会館千葉県中央支部所属

■第1章 全世界大会では“負けられない”という意識が強くなりすぎていた

ーー今回のウェイト制大会に出場を決めた理由からお願いします。

「元々は海外の大会出場を希望していたんですが、今回の全日本ウェイト制大会は来年の世界ウェイト制大会の代表選考試合になると聞いて、こちらを優先することにしました。強い外国人選手も出場するとのことなので、これは一石二鳥だと思いました」

ーー外国人選手と戦いたい気持ちが強いわけですね。

「はい。昨年世界大会以降、対世界ということに意識が変わりました」

ーー大会まであとわずかですが、どんな心境ですか?

「日に日に試合へ向けてのテンションが上がっているのを実感しています。早く試合がしたいです」

ーー荒田選手は昨年行われた全世界大会(無差別級)を経験されましたが、振り返ってみてどんなことが印象に残っていますか?

「あの大舞台を経験したことで、経験値が凄く上がったと思います。結果は、優勝以外は全部負けだと思っているので、単純に自分が弱いから負けただけです。技術的なこともたくさん課題はありますが、特に精神的な面で爆発し切れなくて、くすぶったものが残ったまま終わってしまいました。そういう意味では不完全燃焼な大会でした」

ーーそれはなぜだったと思いますか?

「テイシェイラ選手にオールアメリカン大会で勝ったことで立場が急に変わり、それ以降は組手スタイル自体に迷いが生じていました。負けられない戦い方になっていたと思います。本来、自分は捨て身で後先考えずに行く組手だったのが、世界チャンピオンに勝った責任もあって“負けられない”という意識が強くなりすぎていました」

ーー世界大会が終わった後で、空手改造・肉体改造には着手されましたか?

「ウェイトトレーニングに関しては必要最低限のことをやっていますし、自重を使った補強トレーニングにプラスして、車を押すなどの非科学的なトレーニングも継続しています。自分が理想としているのは三井住友海上の柔道部なんです」

ーーどういうことですか?

「三井住友海上の柔道部には、柔道に必要な筋肉を付ける特製の筋トレ器具があるそうですが、それと同じでただ闇雲に筋トレをするのではなく、空手に必要な筋トレを意識してやろうと考えています。あとは真逆のようですが、映画『ロッキー4』でロッキーが雪山にこもって非科学的なトレーニングをする場面がありますよね。あれが理想ですね」 ・・・

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