6月15日(金)東京・後楽園ホールで開催される『DEEP 58 IMPACT』にて、菊野克紀(ALLIANCE)との大一番を迎える北岡。昨年、大みそかの青木真也戦以来となる試合を前に、環境に大きな変化があったという。北岡が習っている“先生”とはどんな人物なのか?(取材日:2012年6月7日)
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■第1章 やるのは空手の試合ではない、ということです
ーー日本人ビッグネーム同士の対決ということで、指定席の前売りチケットが完売するなどファンは大いに注目しているわけですが、北岡選手は少し冷めているような印象があります。それはなぜですか?
「試合には当然燃えていますが、僕が燃えているのは、菊野克紀という対戦相手だから燃えているわけではないということです。“格が違うんだよ”というノリとは違うフェイズ(局面)かも知れません」
ーー今回の試合は“イデオロギー対決”という見方がされています。スタイルは真逆ですし、お二人の格闘技哲学もだいぶ違うと思われるので。
「うーん……そうやって見てもらっても構わないですし、ファンの好きなように考えてもらえればいいです。考え方は人それぞれですしね。勝った人間が正しいということでいいと思います」
ーー北岡選手自身、菊野選手とはイデオロギーが違うと思いますか?
「そこまで相手のことを知りません(笑)。雑誌に掲載されているインタビューも、隅から隅まで読むわけではないですし」
ーー菊野選手がベースとしている空手についてはどう思われていますか?
「特にはないです」
ーーMMA(総合格闘技)の選手が空手を学ぶことについてはどうですか?
「重心が落ちますし、いい部分はいっぱいあると思います。ただ、何事も一長一短だと思うんですよね。それは僕がやっていることにもありますから。例えば僕はテコンドーを取り入れましたがテコンドーとMMAは違うわけですし、組み技の試合とMMAの試合も違うわけじゃないですか。そのまま全てが使えるというわけではありませんよね」
ーーどれだけ応用できるかにかかっている、と。
「その競技がMMAに向いている向いていないもあるし、どれだけ研ぎ澄ますことが出来るかという話です」
ーー菊野選手を見ていて“何をやっているんだろう?”と思うことはありませんか。
「それはないです。僕が吉田道場へ出稽古に行っていた時に彼も出稽古に来ていたんですが、ウォーミングアップとクールダウンで空手の型をずっとやっていました。別にそれを見て“何をやっているんだよ”という気持ちには全くなりませんでしたよ」
ーー空手の型をやってもMMAには関係ないよ、とは思わなかった?
「思いません。それが彼なりの正解なのだろうから、勝手にやればいいじゃないですか。そういうことを否定するつもりはありません。でも、やるのは空手の試合ではない、ということです」
ーー菊野選手の打撃力についてはどう思っていますか?
「あるんじゃないですか。日本人であんなKOの試合が出来る選手はなかなかいないと思います。KOした試合だけでなく、判定で勝った試合でもなかなか骨太な試合をやっていることもあります」
ーー三日月蹴りについては?
「いいんじゃないでしょうか。彼は三日月蹴りだけでなく、ハイキックも得意ですし、蹴り技は意識していますけれど……これ以上は試合後に聞いてください」
ーーMMAなので全ての技を使って戦うのは当然ですが、北岡選手は打撃でも戦いますか?
「それについても試合後で(笑)」
ーーでは、北岡選手のキャリアの中で、今回の菊野戦はどういう意味があると思いますか?
「それは僕のキャリアが終わってみないと分からないことですよね。今の時点では、今の僕の全てです」
ーー例えば、五味隆典戦よりも燃えているとか。
「比べようがないですね」
ーー公開練習では「僕と戦うにふさわしい選手」と言われていましたが、どの点を評価してそう思ったのでしょうか?
「いろんな部分ですよ。それを僕の口から説明しろと?」
ーー実力や知名度ですか?
「さっくりと言えばそういうことです。PRIDE以降の格闘技界で、ブランディングが高い位置にまで来ている選手って少ないと思うんですよ。僕も彼もPRIDEには出ていませんが、それ相応の位置にまで来ているわけじゃないですか。僕は戦極でチャンピオンになっていますが、彼もDEEPでチャンピオンになってDREAMでも勝ち越している。そこまでやれている選手ってこの階級では他にいないんですよ」 ・・・
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