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平本蓮「総合格闘技に不安がなくなった」戦いを進化させた“MMAで勝てる”空手稽古を取材【11月・ベストファイター】

 毎月イーファイトのサイト名にちなみ、より良い試合をした選手に贈られる、格闘技月間ベストファイター賞。2022年11月のベストファイターは、11月6日に開催された『RIZIN LANDMARK 4 in NAGOYA』の[RIZIN MMA ルール (70. 0kg)]で、元DEEPフェザー級王者・弥益ドミネーター聡志(team SOS)に、大番狂わせの“完封”判定勝利を演じた平本蓮(剛毅會)に決定。キーとなった空手稽古を取材し話を聞いた。(2022年12月25日UP)

PROFILE

平本 蓮(ひらもと・れん)
1998年6月27日 東京都出身
身長 173cm
剛毅會所属

 9歳からムエタイ・キックボクシングを始め、アマチュアで100戦以上の実戦を積む。2015年にプロデビューしてからK-1やKrushで活躍し、2018年には元ルンピニー王者で前K-1王者のゲーオ・ウィラサクレックに日本人初のKO勝利という快挙を成し遂げた。
 その後K-1との契約を満了し、19年12月の『BELLATOR JAPAN』に参戦すると、キックボクシングルールで元DEEPフェザー級王者・芦田崇宏にTKO勝利。
 以後『RIZIN』を主戦場とするが、MMA初戦となった20年大晦日の萩原京平戦ではTKO負け、22年3月の鈴木千裕戦でも判定負けと2連敗を喫する。

 しかし7月の鈴木博昭で判定勝利し、MMA初白星を挙げると、11月には格上を見なされていた元DEEPフェザー級王者・弥益ドミネーター聡志を強烈な打撃で完封し、大金星を挙げた。

選考理由
1、“格上”と目されていた弥益に、下馬評を覆す判定勝利
2、自らの最大の武器であるパンチで何度もダウンを奪い、相手を完封した
3、デビュー2連敗からの、劇的な変化を見せた2連勝目で今後へ期待したい

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された平本選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC–Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ®

非変性Ⅱ型コラーゲン(UC-Ⅱ®)に、MSMやユニベスティン、キャッツクローを配合したサプリメントです。

マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。

アミノ12パウダー

BCAAなど体内で合成できない必須アミノ酸を8種類配合。身体作りに好適なアルギニン、オルニチン、グルタミン、グリシン配合。飲みやすいオレンジ風味。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー

平本が、左の強烈な”直突き”を弥益にヒットさせる

 “大番狂わせ”と言って良い結果だった。MMA2連敗から出発した“K-1の申し子”平本蓮が、“格上”の元DEEP王者・弥益ドミネーター聡志にほぼ何もさせず、完封勝利したのだ。

 平本は試合開始18秒後には、電光石火のパンチで最初のダウンを奪う。その後も弥益が近距離に近づくたび、何度もダウンを奪っては深追いせず、容赦なく弥益を立たせ続けた。

 敗北した最初の2戦と比べ、明らかに構えもスタイルも“激変”していた。平本は、弥益戦の4ヵ月前から、岩﨑達也氏を宗師とする『剛毅會空手』を本格的に習い始めていたのだ。

■『剛毅会空手』とは、MMAで勝てる空手

剛毅会空手を指導する岩﨑氏(中央)と、学ぶ平本(右後ろ)

 岩﨑氏は極真会館の元全日本重量級王者。世界選手権の代表選手でもある。空手引退後はMMAに挑戦しヴァンダレイ・シウバと対戦。KO負けしているが、以降グラップリングを学び、空手では沖縄空手の流れをくむ宇城憲治氏にも師事するなど自身の空手を追求し剛毅會空手を立ち上げた。

 現在、岩﨑氏はMMAで勝てる空手を教えており、弟子にはONEで活躍する松嶋こよみや、元DEEP二階級王者・大塚隆史などがいる。

 剛毅會の空手は空手の打撃力のみならず、独特の構えと、なかなか入らせない間合いの考え方、ディフェンスなどがある。平本は今回どこまで進化していたのか。

■空手の打ち方で、ボクシングのカウンターを取った試合

サウスポーに構え、カウンターを打つ平本

 試合では、普段とは違う右足を前にしたサウスポースタイルで構えた。
 平本は試合前、空手の稽古で前蹴りを蹴る際に、左足の人差し指の根元の骨を折ってしまった。しかし岩﨑氏の「怪我を怪我と思うな」の言葉から出場を決意する。ケガをした左足に負担のかかりにくい構えで弥益を迎え撃ったのだ。

 弥益が上下に頭を動かしステップするのと対照的に、平本はまっすぐな姿勢で頭を上下することなく構える。さらに足幅をほぼ変えずに少しずつ詰めてゆき、どこか空手の移動稽古を思わせる。

ダウンさせても立たせ、自分の土俵の上で戦い続けた

 最初のコンタクトは、弥益の右インロー。これで平本はバランスを崩すが、一瞬で構えに戻ると、電光石火の左フックで弥益から最初のダウンを奪った。
 その後も平本は少しずつ詰めては、弥益が接近すると下がって距離を作り、カウンターのパンチでダウンを何度も奪った。

 左足のケガのこともあり蹴りは出さず、ほぼパンチだけで“完勝”し、下馬評をひっくり返す大番狂わせを演じてみせた。 

 平本が左足をケガし、岩﨑氏は「(平本が秀でている)ボクシングで戦う」と試合の方向性を決めた。それからは空手の基本稽古、移動稽古を徹底したと言う。
 頭を動かさないで殴る、さらに下がりながらカウンターを取る。空手の打ち方で、ボクシングのカウンターを取る。この作戦を平本は3R徹底して遂行したのだ。

 平本が剛毅会空手から得たもの、そして習得しようとしているものは、どのようなものなのだろうか。12月中旬、平本が通う剛毅會空手を取材した。
 クラスには大塚隆史や、平本の弟・丈など剛毅会空手を学び、MMAで生かそうという格闘家たちが集まっていた。

▶次のページ:平本が試合前に正座で礼をした意味、基本稽古が試合に直結する

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